The BONEZのライブ後にJESSEさんと話した時間は尊かった

――着実に「LuckyFes」の知名度は高まり、外に広がっているのを感じます。

Novel Core 間違いないですね。「LuckyFes」が特殊だなと感じるのは、堀さんやDJ DRAGONさんがずっと各ステージを動き回っているんです。僕も今年は出番が終わった後に宿泊して、次の日にプライベートでライブを見に行ったのですが、回っていくステージ全部で二人に会うんです。フロントマンが全ステージを見るって、バンドマン主催のフェスなら見られる光景だと思うんですが、アーティストが主催していないフェスで、そういう場面を見ることは、それほど多くないと思います。あとアンケート調査にも力を入れているんですよね。フレンズ(※来場者の呼称)の方々向けのアンケートだけではなく、出演するアーティスト向けのアンケートもあって、とにかく「よりよくしていこう」という前のめりな姿勢が、あちこちからにじみ出ているんです。その試行錯誤が密度の高さにつながって、集客も増えているし、フェス自体の満足度も上がっているように思います。

――DIY感の強いフェスなんですね。具体的にはどのような質問項目があるんでしょうか?

Novel Core 基本的にフレンズ向けのものと大まかな内容は変わらないと思います。「次回以降、こういうところが改善されたらよりよくなると思う」「便利だと思う」といった項目があったり、逆に「こういう部分がすごくいいから、これはもっと増やしてほしい」「精度を上げてほしい」みたいな項目もあったり。とにかく忌憚なき意見を求めているんです。どの角度から、どういう意見が飛んでくるのか分からないのに、それを怖がらずに、すべてを見た上で咀嚼して、自分たちなりに「こういうフェスにしていこう」というスタンスなんですよね。堀さんとDJ DRAGONさんにバックヤードでお会いしたときも、「今年こういうことやってみたんだけど、どう思う?」と出演者の僕たちにフランクに聞いてくれるんです。

――今回、お客さんとして見て印象に残ったバンドはありますか?

Novel Core 朝から会場に入ってあちこちのステージを回ったので、たくさんいますが、純粋にお客さんの視点で、マジですごかったなと感じたのはPaleduskです。以前、VIVA LA ROCKでも見たことがあったんですが、今回の「LuckyFes」で久々に見たときは、さらに鋭利になっていて驚きました。まず演奏の揃い方が尋常じゃなかったです。ありえないぐらい綺麗に揃っていて、でも綺麗に収まっている訳ではなく、ちゃんとエッジが効いている音でした。ボーカルのKaitoくんは先輩なんですが、彼の立ち振る舞いやシャウトの仕方、お客さんに対するMCの仕方もすごかった。当日はCrossfaithの代打で出演していたんですが、それを踏まえてのMCが印象的で。CrossfaithとPaleduskの関係性や、ロックシーンにおける立ち位置を知らない人が見ても、仲間たちでワンチームになって何かをやろうとしている様にぐっとくる人は絶対いるんじゃないかなというMCでした。激しい音楽で、モッシュやダイブが起きるようなステージなのに、後半は普通に泣けてきて。今日この話をすると思って、PaleduskのTシャツを着てきたんですが(笑)。終わった後にKaitoくんに会いに行って「めちゃくちゃ良かったです」と話して。そこに新しい学校のリーダーズやNovelbrightなど、過去に一緒に曲を作ったり、同じステージに立ったりした友達や先輩もたくさんいたので、裏でみんなとしゃべりました。そんな中で一番印象的だったのはJESSEさんのステージ後です。

――ステージ後というと?

Novel Core  僕はThe BONEZのライブを最前の柵の前でかじりつくように見ていたんですが、JESSEさんがMCで僕に向けてしゃべっているような内容があって。それが「“BACK TO AGF” TOUR 2025」終了のタイミングでJESSEさんからもらった連絡の内容と同じ文章、同じ言葉だったんです。当時の自分のタイミングや状況も踏まえて考えると、すごくありがたかったし、こういう先輩がいてよかったという気持ちにさせられました。それで気持ちが高ぶった状態でライブが終わった瞬間にバックヤードに走って行って、ステージから降りてくるJESSEさんとハグをしました。その直後にJESSEさんが倒れ込んで、水を自分の顔にかけたんですが、それがポカリだったみたいで、「目が~!これポカリだ!!」とか言って、のたうち回っていました(笑)。その後、JESSEさんの横に僕が座って、二人でしゃべっている時間が実際は1分もなかったと思いますが、体感では15分ぐらいに感じて。それぐらいJESSEさんと僕しかここにはいない距離感でプライベートな話をして、すべての時間が止まったような感覚でした。

――どんな話だったんですか。

Novel Core 今の状況や、僕が目指しているもの、その難しさや悩んでいることを、JESSEさんが理解してくれた上でアドバイスしてくれて。その前に見たライブを持って、そして言葉を持って、僕の背中を押してくれる感じがありました。まるで漫画や映画みたいなシーンで、この時間は尊かったし、一生忘れないだろうなと思います。しかも翌日はJESSEさんの誕生日だったんですよね。

――ライブ中にJESSEさんと目は合いましたか?

Novel Core めちゃめちゃ合いました。ステージに出てきた瞬間に「見てろよ!」みたいな感じで煽られましたから(笑)。後で話したら、「俺らの今日のライブは絶対見てほしいって思ってたけど、お前が前日だったからちくしょうと思ってたら、やっぱ来てくれたんだね」と言ってくれました。