みんなでSKY-HIを胴上げしたい
――今までのBMSG FESで特に印象に残っていることをお聞かせください。
Novel Core 1回目のBMSG FESの直前に、僕自身が大変な状況になってしまって……表現が難しいんですけど、自分の中にいろんなものを溜め込みすぎていたんです。インディーズで、ほぼ一人でやってきた時間が長かったのもあって、あんまり周りにいる大人の人を、本当の意味で信頼できていなかったんだと思います。人に言えない悩みがどんどん蓄積していって、それが結果的に爆発してしまった。
――どんな状態だったのでしょうか。
Novel Core 周りに当たっちゃうというか。その当たり方が、自分の中でずっと押し隠していたものが急に出るんで、周りの人からしたら「急にどうした……」ってなるじゃないですか。そのヤバさも自分で分かっていなくて、日髙さんや周りのスタッフさんたちに、すごく気を遣わせちゃったんです。そのときに日髙さんが初めて、ちゃんと怒ってくれたんですよね。最終リハーサルがスタジオであって、そのリハーサルの後に、僕とスタッフさん数名とShotaが残されて。Shotaに関しては、日髙さんが「今から俺がCoreに話すことは、Shotaも今後経験することだから見ておいてほしい」と。そのときに僕が当時思っていたことを全部言ったし、ちゃんと日髙さんも怒るところは怒ってくれて、ボロボロに号泣しながらスタジオを出ました。それがきっかけで、自分のあり方を見直せたところがたくさんあって。そのまま突っ走っていたら危なかったなって思います。もっとたくさんの人を傷つけたかもしれないし、独りよがりになっていたかもしれない。そういえば、その少し前にBMSG所属アーティストとトレーニー全員が、日髙さんからネックレスをもらっていたんですが、僕だけ付けていなかったんですよ。
――反抗心からですか?
Novel Core いえ、付けられなかったんです。本当の意味でリスペクトフルな状態になれていないのに、自分がモヤモヤしている状態で、これを付けるのって冒涜になるんじゃないか、大好きなBMSGの看板を汚すことになるんじゃないかという気持ちがあって。それでスタジオでの話し合いがあって、一つ殻を破ったような感覚があって、家に帰って、箱からネックレスを出して、実際に付けてみて、鏡でその姿を見たんです。その写真を撮って、日髙さんに送ったのが、自分的にはBMSG FESの思い出として強く残っているというか。その出来事をきっかけに、それ以降の自分の人生が大きく変わっていった気がします。
――現在は、そのときのような感情になることはないのでしょうか。
Novel Core そうですね。たとえば何かに不満があったり、「なんでこうなるんだろう」と納得がいかなかったときに、自分だけがそう思っている訳じゃないというのが、ちゃんと分かったんです。とにかく当時は「自分が自分が」になっちゃっていて、「なんでこうなってくれないんだろう」という気持ちが先走っていたんです。大体そういうトラブルやエラーが起きているとき、何かに違和感を持っているときって自分だけじゃなくて、僕よりも先に違和感を持っている人も当然いるし、その上で、それぞれが試行錯誤をして、一番いい着地点を探して既に動いていたりもする。そこを推し量れる、想像ができる余白を自分の中に残しておかないと人を傷つけてしまうし、いい状態で仕事もできないと気づきました。何かマイナスなことがあったときに、フロントマンとして人前に立って、ステージの一番前でマイクを握って歌う自分が一番悔しいし、一番悲しいとは思うけど、自分のプロジェクトに携わっているスタッフさんや仲間たちも同じように悔しい思い、悲しい思いは平等にあるし、そこはちゃんと分かってあげないと駄目だなって。自分一人で走っている訳じゃないですからね。
――それに伴ってコミュニケーションの方法も変わったのでしょうか。
Novel Core 本当の意味で人を信頼できるようになったので、歪みが大きくなる前に、今は定期的に自分の近くにいるスタッフさんたちを誘ってご飯に行って、「今こういう違和感を持っているんですけど、どう思いますか?」と話します。同時にスタッフさんや仲間たちの持っている違和感も同じように話してもらって、そういうことを日常的にチームの中でやるようになりました。初年度のBMSG FESまではスタッフさんとサシでご飯に行くことがなかったですからね。
――初めてBMSG FESに参加する方に向けて、どのように楽しんでほしいか、見どころなどを教えてください。
Novel Core フェスというのは、どこまで行っても出会いの場所だと思っています。自分が普段から追いかけている大好きなアーティストもいると思いますが、それ以外のアーティストのパフォーマンスに魅了された瞬間や感動した瞬間に、フェスがフェスである意味が生まれると思います。僕たちBMSGのアーティストも、スタッフさんたちも、このフェスに関わる人たち全員が、そういう出会いを一つでも増やしたいと思って、この日のために尽力しているので、ぜひ来たからには全アーティストを本気で楽しんで帰ってもらえたらうれしいです。
――BMSG FESが終わった瞬間って、どういう感情なんですか。
Novel Core やり遂げた感がすごくありますし、今年も大きな山を越えたなというのは、みんなにあると思います。それは日髙さんが一番感じているんじゃないでしょうか。今年は野外開催なので、天候面など気にしなければいけないことも多々あって、日髙さんは気が気じゃないと思うんです。だから無事に終わったら、みんなでSKY-HIを胴上げしたいです(笑)。
――胴上げは恒例になっているんですか?
Novel Core 一時期は定番になっていたんですが、昨年はなかったですね。いつも音頭を取るのはBE:FIRSTのLEOなんですよ。「社長を胴上げするぞ!」とか言って始まるんですけど、大体僕とShotaは遠巻きから手だけ出して参加しています(笑)。