チャンスをいただいたからには、期待の倍以上で返すということを徹底したい
――10月12日に参戦する「TOKYO ISLAND 2025」についても意気込みをお聞かせください。
Novel Core キャプテンを務めるのが鹿野(淳)さんなので特別な思いがあります。今は有泉さんが引き継いでいますが、「VIVA LA ROCK」も鹿野さんが立ち上げたフェスですし、8月に開催された今年スタートの「CANNONBALL 2025」も鹿野さんのプロデュース。僕は鹿野さんの作るフェスが大好きで、「CANNONBALL 2025」も、「LuckyFes」の翌日開催で、制作を控えていたんですが、プライベートで見に行きました。鹿野さんも「LuckyFes」を主催する堀義人さん、DJ DRAGONと同じく、主催者としてキャスティングする人として、全部のバンドのステージを見ます。あと初めて「VIVA LA ROCK」に出たときにびっくりしたんですが、全員の楽屋に長文の手紙が置いてあるんです。
――どんなことが書かれてあるんですか。
Novel Core 「あなたのこういう音楽性とこういう部分に期待してます」「今日はこういう並びなのでこういうライブをぜひしてください」といったお礼と期待を込めた内容で、そこまで気持ちを持って向き合ってくださっている方なので、僕たちアーティストのテンションもめちゃくちゃ上がります。「VIVA LA ROCK」から時間が経って、改めて鹿野さんのフェスに呼んでもらえるということで、「こいつ成長したな」と思ってもらいたいし、鹿野さんは僕の武道館公演を見に来てくれたんですが、終わった後に連絡をくださったんです。「Coreのアーティストとしてのソウル(魂)は1級品で誰と比べたって全然引けを取らない。でも歌が綺麗すぎるから、それが歌に乗っかったら、もっとすごいことになると思う」というメッセージで。当時、僕も歌に対して悩んでいた時期だったので、武道館が終わってから今に至るまで、歌唱力だけじゃなくて、気持ちをどれだけ歌に乗せられるか、パフォーマンスにどれだけ本気になれるか、全力になれるか、命を削れるかという部分を成長させてくれた一人です。鹿野さんに今のステージを見てもらって、どういう反応なのか気になるし、そこで見つかる新しい課題もあるだろうし、いろいろな面でワクワクしています。
――同じ日に出演するアーティストで特に注目している方は?
Novel Core シンガーズハイ、超能力戦士ドリアン、四星球など好きなバンドばかりなんですが、特にベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)に注目しています。ぜひバックヤードでも話しかけたいと思っています。
――初めて会う方でも積極的に話しかけるほうですか。
Novel Core ステージも見ますし、裏で会ったら絶対に話しかけますし、フェスに出る以上はそれが大事だと思っています。僕は年齢的にまだ下のほうで、みなさん基本的に年上だったりキャリアも長かったりするので、気を遣う場面もあるんですが、そこで日和ってしまうと次につながらない。せっかくフェスに呼んでもらって、ただステージをやるだけで帰っちゃうのはもったいないので、出会いだと思って、図々しいぐらい行くようにしています。
――来年に向けてのフェスの展望はいかがですか。
Novel Core 「“BACK TO AGF” TOUR 2025」で全国を細かく回らせていただいた理由の一つに、改めて各地のイベンターさんと密にコミュニケーションを取らせてもらいたいというのがあったんです。だから地方の公演が終わった後に、イベンターさんにも打ち上げの現場に来ていただいて、マネジメント、バンドメンバー、ライブ制作のカズさんも交えて、みんなで話をして、「今こういうスタイルでやっている」「こういうこともできる」「こういうのもやりたい」「こういうのに出たときにこういう反応を得た」といった話を実際にして、状況を理解してもらった上で挑戦していきたいことを素直にお話しさせていただきました。各地のイベンターの皆さんも前のめりに応援してくださっているので、来年は今まで挑戦できていなかったフェスの出演権を少しずつ掴んでいけるように、アプローチしていかなきゃいけないなと思います。チャンスをいただいたからには、期待の倍以上で返すということを徹底して、より多くのチャンスを掴めるように頑張っていきたいです。
――挑戦者の気持ちは忘れないと。
Novel Core 今まで以上に挑戦です。フェスにエントリーすること自体の挑戦はもちろんですが、2年、3年連続で出させてもらっているフェスだからといって、なまった感じのライブをやっていたらマジで意味がない。毎年呼んでもらっているからには、毎年更新しなければいけないものがあります。もっと言えば、僕たちが目を向けなければいけないのは、自分たち自身だけじゃなくて、並びにいる他のバンドやアーティスト、そのファンの方々に「面白い奴らだ」と思ってもらえることができているかどうかも大事だと思っています。ちゃんと周りを見ながら、フェスである意味をかみしめながら戦っていきたいですね。
過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/novelcore_regular/
Novel Core
東京都出身、24歳。ラッパー、シンガーソングライター。
SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。
高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有しながらも、等身大の言葉で紡ぐ飾らない表現力とパワフルなライブパフォーマンスが話題を呼び、幅広い世代から強い支持を集める。
ヒップホップとロックを軸に、様々なサブカルチャーを融合させた独自のミクスチャーサウンドは、ジャンルに縛られない自由な表現として高い評価を獲得。これまでに発表した全てのアルバム作品が主要チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものとしてきた。
2024年1月、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、翌2025年2月には自身初となるアリーナ単独公演を決行。
大型公演に限らず、全国各地のライブハウスを巡るツアーも精力的に展開し、圧倒的なライブ力と真摯な姿勢でファンダムとの強い信頼を築いている。
また、ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザインに至るまで、全てのクリエイティブにおいて一貫してNovel Core自身がディレクションを担っており、その鋭い感性は音楽シーンの枠を超えて高く評価されている。
FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルにも起用されるなど、ファッション業界からの注目も高く、アーティストとしての表現領域をさらに広げている。
音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代ミクスチャーアーティスト。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI