真のMVPはTHE SUPER FLYERS – SQUADの面々

――お台場という会場はいかがでしたか。

Novel Core ライブの演出もやる自分としては、めちゃくちゃ難しい会場だと思いました。野外の会場ってどう頑張っても平面的になるじゃないですか。後ろに広がれば広がるほど、ディレイスピーカーを置かなきゃいけないし、音響の位置、カメラの望遠でアーティストを抜くための土台を作る鉄骨など、規模がでかくなればなるほど立体物が増える。でもお客さんの位置は一定で平面。これは演出の目線で言うと、めちゃくちゃしんどいです。演出のスタッフさんたちは、「ここの人たちには見えにくくなっちゃうから、こういうのでフォローしてあげよう」など、すごく意識しながら作られたんだろうなと、ゲネリハーサルの時点で会場を見て感じました。

――事前にご自身でも会場全体を確認されたんですか。

Novel Core 他のアーティストがリハーサルしている時間に、スタッフさん何人かと一緒に全席を回りました。端っこの端っこまで行って、見え方も音の聴こえ方も確認して。野外なので太陽の位置も気にしたいよねという話になって、西日の影響が出そうなエリアがリハーサルの時点で分かったので、事前にSNSでアナウンスさせてもらいました。全員が細部まで意識を張り巡らせて作らないと、絶対的に満足度が上がらない会場だと思います。注釈付きの席もあって、100%ポジティブに受け取ることのできなかったお客さんもいたかもしれませんが、そういう人たちの気持ちも胸に刻みながら、個々のライブでもフェスでもよくするところがたくさんあるなと感じました。

――BMSG所属アーティストだけのフェスだからこそ、コミュニケーションも円滑な部分がたくさんあったかと思います。

Novel Core スタッフさんは各アーティストのやりたいことに対する理解度が高いですし、セクションごとの風通しの良さも同じチームで作っているからこそある。言いづらいこともちゃんと言える関係性があるのは大事なことだと思います。

――ご自身のセットリストはどういうことを意識されましたか。

Novel Core 二つの軸があったんですが、僕の出番だった日没に向けての時間帯は、どのフェスでも大事な時間。日中に始まって、日が沈んでいき、夜になるタイミングで別のアーティストにバトンを渡す。外のフェスで、その時間帯を僕が任されることは少なくて、「BMSG FES’25」でそこを任されるなら、会場を一つにするというのが第一ノルマ。もう一つは、僕の後に出るアーティストたちをやりやすくする。「めちゃくちゃやりやすいんだけど」って思わせたら勝ち、みたいな気持ちでセットリストを組みました。

――前回の取材で、連載では触れませんでしたが、シーケンスでやると仰っていましたよね。

Novel Core 今回はSKY-HIのハウスバンド「THE SUPER FLYERS」のスクワッドチームがいて、LEDの後ろにいたので客席からは見えにくいのですが、最初から最後まで、ほとんどのセクションで演奏をしていたんです。ただ個人のパートで言うと、僕とREIKOだけはシーケンスで、バンド演奏を入れずにライブをやったんです。

――どうしてでしょうか。

Novel Core 僕に関して言うと、自分のハウスバンドであるTHE WILL RABBITSがいて、一緒に活動している部分が強くあるので、今年に関してはフェーズ的にも自分のバンド以外だと意味合いが変わってくるのかなと。それと野外だと、風の影響で音がだいぶ揺れるだろうという想像ができていたので、風に負けないように音量を上げる時、シーケンスオンリーだと声とシーケンスしかないので、総音量を上げやすいんです。楽器が入ると、その分だけ要素が増えちゃいますからね。今年はMCもちゃんとやろうと思っていたので、自分の声や歌詞の抜けの良さができる限り良いほうがいいなと思ってシーケンスでやらせてもらいました。結果的に盛り上がりを作れたなと思うし、みんなにも楽しんでもらえたのかなと。同時にバンドを背負わずにやった時間を任せてもらったからこそ、僕の直後のShota(Aile The Shota)がバンドにフォーカスを当てる瞬間が輝いたはずだし、バンドのインパクトも出たなと感じました。