みんなの中で課題と目標が明確に定まる二日間
――他のグループやソロアーティストがバンドとやっているのを見て、どう感じましたか。
Novel Core 歌い手たちがすごいのは当然ですが、THE SUPER FLYERSのバンマスでギターのTAKさん(田中“TAK”拓也)、マニピュレーターのKaoru Sakumaさん、DJ&マニピュレーターのHIRORONさん、ドラムのモッチーさん(望月敬史)、キーボードのHiromuくんというメンバー全員が、とにかくすごいことをしているなと感動しました。4時間ぐらいのショーをずっと演奏し続けるだけでも大変なのに、自分たちが普段やっているSKY-HIの楽曲以外もたくさんやる。それにグループの音楽はシーケンスの要素が強いので、生のバンドで叩くときに配慮が必要です。ダンスのブレイクはタイトだからこそ成立するもので、ドラムで縦が合っていないとか、ギターがはみ出ているとダメ。そういうことも踏まえた上で、アレンジの提案を1からしてくれて。当然、僕たちよりも前にスタジオに入って、楽器だけのアレンジ確認のリハーサルをして、僕たちよりも早い時間に会場入りして、僕たちよりも遅く帰る人たちなので、もっともっとクローズアップしたいところです。裏でも僕は、バンドの演奏でぶち上がっていました。日髙さんのセクションで、「Double Down」というフェスでめっちゃ盛り上がる曲をやる時間帯は、僕とShotaとREIKOは次に出番があるのでメイクを直したり体のメンテナンスを入れるなど裏で過ごす時間だったんです。でも二日目は「袖で観たい」とスタッフさんに言って袖に行ったら、たまたまShotaがいたんです。「俺も袖で観たいからって来ちゃったんだよ。奇遇だね」と言ってたらREIKOも来て、「みんないる!」みたいな。示し合わせたわけでもないのに3人が揃ったんです。「いっそのこと、俺たちもステージに出て行っちゃう」って僕がけしかけて、横にいた舞台監督にも確認して出て行きました。ただ「Double Down」は日髙さんとモッチーさんの、1対1の掛け合いがあるので、それが終わったら行こうぜと。援護射撃のように、「おりゃー!」って出て行こうぜと言って実行したんですが、その時もバンドの演奏が素晴らしいなと体感しました。僕は自分のMCで「たとえ目当てじゃなくても、4年連続で帰る時に最初に思い出すアーティストはNovel Coreです」と、さも自分がMVPだみたいなことを言いましたが、真のMVPはTHE SUPER FLYERSだと伝えたいです。

――ちなみに3人が出て行った時の日髙さんの反応はいかがでしたか。
Novel Core 「嘘だろう」みたいな表情で、めちゃくちゃ焦っていました(笑)。
――前半では「SOBER ROCK -Remix- feat. SKY-HI」を披露しました。
Novel Core 2022年のBMSG FESを象徴する1曲だったし、物語の回収としても、BMSGの始まりの歌と言ってもいい位置の曲なので、「やりたいよね」と日髙さんから言われていて、僕のセクションではないので、日髙さんがセットリストに入れていました。カメラに向かって客席をバックに二人で歌うシーンは、2022年のBMSG FESでフロートに乗って日髙さんと僕が肩を組みながら客席をバックに歌っていたシーンと重なるように、演出チームが考えてくださいました。
――ご自身のセクションではShotaさんと「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」を歌いました。
Novel Core Shotaと作った曲で、BMSGファンダムの中でもNovel Coreファンダムの中でもアンセムになっている曲で、ライブではみんなが大合唱してくれる曲なので、僕からShotaのセクションへの切り替わりのところに入れてもいいんじゃないかという話になりました。Shotaと二人で、センターステージで「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」を歌うのも2022年のBMSG FESと全く同じ構図で、「ここはカメラでこういう形で抜いてもらうと、当時とリンクしていいんじゃないか」という話をしながらやっていきました。
――初日と二日目で、会場の雰囲気に違いは感じましたか。
Novel Core 両日とも盛り上がり的には150万点で、本当に最高でした。でも、それぞれのエモーショナルさ、それぞれの勢いは全然違いました。ただ初日は、自分たち全員の反省点なんですが、30分開演が押したんです。時間帯的に僕のセクションが暗くなって、ステージの見え方が予定とは違ったりもしました。
――なぜ30分押したのでしょうか。
Novel Core 誰かの肩を持つわけではないんですが、各セクションがギリギリまでお客さん側からの見え方を調整していて、ちょっとでもベターに、ちょっとでもストレスを減らせるように尽力した結果、エラーの重なりで時間が押してしまったんです。誰かが集合に遅れたということではないんですよ(笑)。とはいえ朝8時とかからグッズのために並んでいるお客さんたちがいることを考えると、30分押しは大きいなと。もうないようにしようねという話は、スタッフチームもアーティストチームも、終演後の反省会で話していました。そういう意味では、みんなの中で課題と目標が明確に定まる二日間だったと思います。

――以前の連載でもお話が出た、日髙さんの胴上げは二日目の終演後にしたんですか。
Novel Core しました。野外なので天井がないから、すごい高さでした。メンバーが増えたのもあって、相変わらず僕とShotaは端っこで片手だけでしたが……。今回も中心になったのはLEO(BE:FIRST)でしたね。というか、ほぼLEO一人で胴上げしていました (笑)。HANAなんて後ろでポカーンとしていましたしね。
――初めてBMSG FESに参加したメンバーの様子はいかがでしたか。
Novel Core HANAとSTARGLOWのGOICHI、ADAMは初参加でしたが、絶対に輪の中に入りづらいじゃないですか。でも、それぞれの雰囲気の作り方があって、自然に打ち解けていました。最終日は超ユナイトしていて、裏でもずっとそれぞれが誰かしらと喋っている。グループもソロもごちゃ混ぜで、お互いのライブを見て盛り上がったりしていて、あれはいい空気感だなと思いました。それは絶対ファンダムにも伝播していくと思うので、ステージ上の上も下も関係なく、そういう空気がどんどん大きくなっていったらいいなと思います。
過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/novelcore_regular/
Novel Core
東京都出身、24歳。ラッパー、シンガーソングライター。
SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。
高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有しながらも、等身大の言葉で紡ぐ飾らない表現力とパワフルなライブパフォーマンスが話題を呼び、幅広い世代から強い支持を集める。
ヒップホップとロックを軸に、様々なサブカルチャーを融合させた独自のミクスチャーサウンドは、ジャンルに縛られない自由な表現として高い評価を獲得。これまでに発表した全てのアルバム作品が主要チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものとしてきた。
2024年1月、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、翌2025年2月には自身初となるアリーナ単独公演を決行。
大型公演に限らず、全国各地のライブハウスを巡るツアーも精力的に展開し、圧倒的なライブ力と真摯な姿勢でファンダムとの強い信頼を築いている。
また、ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザインに至るまで、全てのクリエイティブにおいて一貫してNovel Core自身がディレクションを担っており、その鋭い感性は音楽シーンの枠を超えて高く評価されている。
FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルにも起用されるなど、ファッション業界からの注目も高く、アーティストとしての表現領域をさらに広げている。
音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代ミクスチャーアーティスト。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI
