シゲクニに出会っていなかったら音楽という選択肢すらなかった
――ロンドン大学では何を専攻しましたか?
LEO 経済学と政治学です。「これを勉強すれば就職しやすい」と学校の先生に言われて、自分でもそうかなと信じ込んでいたんです。でも違いました。
――早い段階で気がつきましたか?
LEO 卒業してから気がついたので、手遅れですよね(笑)。後悔しました。「自分が興味あるものを専攻して勉強すればよかったな」と今でも思います。
――その後、オックスフォード大学院に進学されました。
LEO 日本文学の日本語学科で比較文学研究をする目的で行きました。
――日本文学への興味はいつぐらいからありましたか?
LEO 私が行っていたロンドン大学SOAS校は、アジア・アフリカ地域の研究を専門にしている大学で、国連の集まりみたいにいろんな人種の人がいたんです。アジアの科目が多かったので、現代日本文学の単位を選んでみたらそれがすごく面白かった。
――それまでは日本文学に興味を持ったことはなかった?
LEO あんまりなかったですね。高校3年生に、夏目漱石の英語版を読んだことはありましたが。考えてみたら、中学、高校時代は、言語、文学、音楽の科目が得意だったのに、なぜ大学でソーシャルサイエンスを選んでしまったんだろうと。大学院で文学を勉強し直すことにしました。
――大学では、日本の現代文学を研究したのですか?
LEO 学部生の時の単位は、三島由紀夫の『仮面の告白』、安部公房の『砂の女』、志賀直哉の『暗夜行路』、太宰治の『斜陽』、など、西洋でもクラシック扱いされている現代文学を紹介するコースでしたが、その後、大学院では主に万葉集と古今和歌集の研究をしていました。
――全て英語で読まれたのですか?
LEO まず英語で読んでから、日本語の原文で読むことが多かったです。
――そこで学んだことは、後の表現活動に活かせていますか?
LEO どうでしょうね。音楽始めた頃は時期が近かったから意識していましたが、今はないかもしれません。
――その間も音楽はずっと続けられていたのですか?
LEO はい。オックスフォードに住んでいた時は、週末ごとにアミールに会いにロンドンに行き、デモを作っていました。一年に一回、日本に帰ると、そのデモをシゲクニに聴かせて。シゲクニは既にプロとして活動していましたから、アドバイスに励まされました。
――シゲクニさんは重要な方なんですね。
LEO 本当にそうです。彼に出会ってなかったら音楽をやってないし、選択肢すら思いつかなかったと思います。
――アーティストになろうと思って日本に戻られたのですか?
LEO 日本に帰った時に、シゲクニのバンドの前座として、アミールと一緒に作ったデモで演奏したり、ライブハウスでデモCDを売ったりしていたんです。それが日本のインディー・レーベルの人の目に留まり「アルバムを作って出してみないか」と声がかかりました。そこで、「本気でやってみようかな」と日本に戻ることにしたんです。
――最後に将来の進路を決める立場の若者にアドバイスをお願いします。
LEO あんまり他人の意見を聞かないことですね。他人の意見に振り回されない、頑固になってください。私は意志がすごく弱いので、誰かに何か言われたらすぐ「そうだね」となりがちなんです。「これがやりたい」と心で感じたら、きっとそれがベストアンサーだと思うので、これを読んでいるティーンの皆さんは意思を強く持って、自分の気持ちに素直でいれば良いと思います。
Information
配信EP『Eastward Westward』
2023年4月21日(金)配信
収録曲:
1. 東へ西へ (井上陽水カバー/1972 年) * Honda ZR-V e:HEV CM ソング
2. Comet * 新曲
3. Slug Trails * 新曲
4. Tokyo Lights (Live at LIQUIDROOM, Tokyo) * Bonus Track
公演情報
「Eastward Westward Tour 2023」
大阪 6/20(火) 東心斎橋CONPASS
福岡 6/22(木) 福岡INSA
東京 6/28(水) 新代田FEVER
全会場 18:30開場/19:00開演
チケット
前売:5,500円(税込・ドリンク代別途)
※スタンディング、整理番号順
オフィシャル二次先行
受付期間:4/21(金)18:00〜4/30(日)23:59
※お一人様4枚まで
※抽選にて受付
PHOTOGRAPHER:YUTA KONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI