ギターが3人いるといろんなことが出来る
――儀間さんと山岡さんが加入することになったきっかけを教えてください。
山岡 5年前くらいに、「teto」(the dadadadysの前身バンド)と対バンしたことがあったので、もともと知り合いだったんです。その後も数回ライブを観に行ったことがあります。僕は関西にいて、コロナ禍の前に当時のバンドで東京に出てきたのですが、しばらくしてバンドを辞めることにして、就職もしました。
――バンドを辞めてどんなお仕事をしていたんですか?
山岡 営業みたいな仕事をしていました。僕が抜ける最後のライブに、貞ちゃんが来たんです。その時に「バンドやらない?」と声をかけられて。就職もしちゃったし、どうしよう困ったなと思いましたが、気づいたら加入していました(笑)。
――加入する決め手があったのですか?
山岡 僕自身、本当は音楽を辞めたくなかったんだと思います。
小池 実際は困ってなかったと思うよ。困った振りをしておくことで、自分も周りも守れる時があるから。俺としてはありがたい反応だった。
山岡 否定は出来ないです(笑)。
儀間 僕も前のバンドを辞めるタイミングで、小池さんに電話ました。「辞めるんですよ」と伝えたら「そうなんだ」という反応でしたが。一人で歌って宅録しながら音楽活動を続けようかなと思っていたけど、そのうち、the dadadadysのツアーのサポートをするようになり。ツアーが終わって沖縄に戻り、家で洗濯していたら小池さんから電話がかかってきて「一緒にやらないか」と誘われたんです。僕はギタリストですが、ギターにあんまり興味がなくて、どちらかという作曲への興味が強かったけど、the dadadadysのツアーを経験して、5人になるなら面白そうだなと。2つ返事で「一緒にやりたいです」と返事をしました。沖縄に引っ越したばかりで、また東京に引っ越すことになり、引っ越し続きになりました。
――すんなり東京に出て来られたのですね。
儀間 そうですね。唯一困ったのは引っ越しでお金がかかったことくらいです(笑)。
――山岡さんと儀間さんが加入し、小池さんを含めてギタリストが3人になりました。ギタリストの比重を高くしたのはなぜですか?
儀間 カッコいいから。
山岡 ギターが3人いるといろんなことが出来るんです。アレンジもそうですし、ライブで出来ることも増える。表現の幅が広がるから、やりたい放題です。
――音楽がより自由になるのですね。
山岡 そうですね。
小池 本来バンドはギター1本でもいいんです。以前のバンドは4人編成でそのうち2人がギタリストでした。the dadadadysは俺がギターを持たない時もある。そこでギタリストがいれば、それだけ音楽の表現の幅も広がりやすい。もちろん、そういう要素も前提としてありますが、メンバーを増やした一番の理由は見た目のカッコよさと、5人であることの居心地のよさですね。ずっと、5人のヒーローが戦う「戦隊もの」みたいなバンドがやりたかったから、並んだ時のしっくり感もあるし。そういう感覚的なもののほうが大きいです。
――佐藤さんとyuccoさんは5人体制になってからの変化はありますか?
佐藤 音楽的にはギターに興味を持つようになりました。もともと好きだったけど、そんなに比重を置いて聴いてこなかったので。ギターが3本あると音の個性もそれぞれだし、音色が混ざる瞬間が心地いい。2人の考え方も新鮮で、いろんな面で楽しいことが増えました。
yucco 健さんが言っているように、音の聴こえ方が変わりました。ライブで後ろからみんなの背中を見ていると3人の時よりも頼りになる感じがする。これまでも最強でしたが、5人でより最強になった。見た目も含めて大きく変わったなと思います。
――2人が加わったことで、アレンジもよりリズミカルな感じになった印象があります。
yucco 儀間ちゃんと錬さんは、アレンジやリズムに関して「こっちのほうがいいんじゃない?」とアイデアを出してくれるので、それで広がっているのはありますね。