地元・名古屋で活躍する機会を増やしたい
――グループから離れて一人になった時はどんな気持ちでしたか?
高柳 グループとソロの活動が重なっていたコロナの時期に少しずつ慣れていったので、特に変わらなかったです。昔は「SKE48の子」という第一印象を持たれることが多かったけど、肩書に(SKE48)がつかなくなってからは、「実はSKE48の人だったんだ」と後から知っていただくことが増えました。グループの肩書はなくなったけど、今でもSKE48は大好きだし、現場で初めて会うスタッフさんに「ずっと高柳さんを応援していたのでご一緒できてうれしいです」と言っていただくこともあったりして、改めて12年は無駄じゃなかったなと思っています。
――元メンバーの動向はチェックされていますか?
高柳 松井玲奈ちゃんの舞台は観に行きますし、最近結婚した大場美奈ちゃんとはこの間一緒にご飯に行って、無限に喋り続けました。「グループ卒業したら一気に太ったよね」とアイドル女の子あるあるを言ったりして(笑)。仲がいい子とは定期的に連絡を取って昔と変わらぬ時間を過ごしています。
――グループ時代にターニングポイントになったお仕事を教えてください。
高柳 どれか一つというのではないのですが、SKE48の劇場公演です。1公演で12曲くらい披露するのですが、恋をしたり、人を恨んだり、青春したり、「友情サイコー!」ってなったり、それぞれの曲で違う役を演じるのが楽しくて。そこでお芝居の楽しさに気づきました。「SKE48のマジカル・ラジオ」というラジオ番組も印象的ですね。この番組でオードリーの若林正恭さんと佐藤二朗さんとご一緒してコメディの楽しさを知りました。
――曲の登場人物のイメージはご自身で考えるのですか?
高柳 基本的にはそうです。でも、曲によってはメンバーと話し合って人物像のイメージを統一することもありました。何せメンバーは10代から20代までいるから、そうしないとイメージするものがブレちゃうので(笑)。
――卒業後のお仕事で印象的だったのは?
高柳 最近、東京、名古屋、大阪の3カ所でファンイベントを開催しました。トークショーだけで1時間半、ほぼノンストップで喋り続けて、毎回酸欠みたいな状態になりました(笑)。
――どんな内容だったのでしょうか?
高柳 エピソードトーク、近況報告、サイコロを転がして出たお題について15分話すとか。結構長くて大変だったんです。でも、みんなから「楽しかった」と言ってもらえたので達成感がありました。改めてお喋りが好きなことに気がついたので、トークのお仕事もやってみたいですね。
――新年度が始まりましたが、お仕事、プライベートでそれぞれチャレンジしてみたいことを教えてください。
高柳 映像のお仕事と、地元の名古屋で活躍できる機会を増やしたいです。“名古屋の子”という印象を強くしていきたいですね。プライベートでは、モノ作りが好きなので、アクセサリー作りやネイルなどの趣味を極めて仕事につながったらいいな。結局、仕事につながっちゃうんですけど(笑)。あとは、コロナが落ち着いてきたので、旅がしたい!火鍋が好きなので台湾に行きたいです。
――台湾にはお仕事で行ったことはありますか?
高柳 ありますが、ミュージックビデオの撮影で行ったので、あんまり観光できなかったんです。グループ時代にベトナムに行って、美味しいものをたくさん食べたのでベトナムにもまた行きたい。写真が好きなので、いろんなところに撮影に行きたいです。グループ時代に「SKE48 47都道府県全国ツアー ”令和元年 再開”〜機は熟しすぎた!?〜」という、メンバーそれぞれが全国を回るというツアーを開催したのですが、コロナの影響や、震災があったりして、都道府県を回りきることができなかったんです。行けなかった地域のファンの方から「来てほしかった」という声を聞いたので、申し訳なかったなと。なので、いつか個人的に47都道府県を完成させたいです。
――話は逸れますが、高柳さんはポケモン好きを公言されていますが、今年3月でサトシとピカチュウを主人公としたテレビアニメは終了しました。
高柳 一つの時代が終わりましたね……。私は、「ポケモンがこっちの世界に来てくれないなら、私があっちに行く!」と思うくらいポケモンが大好きで、何かしらの形でポケモンに関わることを一つの目標にしていたから、サトシのいる時代に実現できなかったのは無念でなりません。でも新シリーズも楽しんで観ています!キャプテンピカチュウも、ピカチュウとは少し雰囲気が変わっていて、それを表現できる声優の大谷(育江)さんはすごいなと感心しました。
――最後に芝居のやりがいを教えてください。
高柳 経験したことがない演技の仕方に触れた時や、みなさんに「観てよかった」と言っていただけた時は、やりがいを感じます。課題があればあるほど感じますね。先ほど、映像のお芝居をやってみたいとお話ししましたが、それは、名古屋に住んでいる家族に観てもらいたいという思いがあるから。映画やドラマだったら、両親や、おじいちゃん、おばあちゃんも距離を気にせず観ることができるから、親孝行にもなるし、そういう気持ちも仕事のやりがいにつながっています。
Information
「ホロー荘の殺人」
日程:5月3日(水・祝)~8日(月)
劇場:三越劇場(〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店本館6 階)
料金:前売・当日:9,800円 (全席指定・税込)
キャスト:凰稀かなめ 紅ゆずる 林翔太 高柳明音 旺なつき 綾凰華 佐々木梅治(劇団民藝)河相我聞 細見大輔 松村優 中尾隆聖 長沢美樹(声のみの出演)
脚本:アガサ・クリスティー
演出・構成:野坂実
翻訳:小田島雄志・小田島恒志
秋の週末。ロンドン郊外のホロー荘に住むヘンリー・アンカテル卿とその妻ルーシーのもとに、親しい人々が集まった。親族であるヘンリエッタ、エドワード、ミッジ。そして夫妻の友人であるジョン・クリストゥ医師とその妻ガーダ。彼らはそれぞれ複雑な思いを秘めていた。やがて晩餐が始まろうというとき、有名な映画スターのヴェロニカ・クレイが突然ホロー荘を訪ねて、一同を驚かせる。翌日、ジョンが何者かに撃たれて死んだ。倒れているジョンの傍らには、妻ガーダが銃を手に虚ろな表情で立ち尽くしていた。ロンドン警視庁のコフーン警部が捜査にあたるが、ジョンの命を奪った弾丸はガーダが手にしていた銃のものではないとわかり、捜査は暗礁に乗り上げる。ジョンを殺したのは誰か?使われた本物の銃はどこに?それぞれの愛と憎しみが渦巻く中、真犯人と事件の謎が明らかになっていく──
キ上の空論 10周年記念公演「幾度の群青に溺れ」
日程:7月5日(水)〜7月9日(日)
劇場:紀伊國屋ホール
料金:前売7,200円 / 当日7,700円(全席指定・税込)
U-25割4,500円(税込) ※25歳以下対象、要身分証明提示
キャスト:高柳明音 町田慎吾 藤原祐規 久下恭平 竹石悟朗 富田麻帆 高橋明日香 藍澤慶子 平山佳延 高木俊 名塚佳織 美里朝希 田名瀬偉年 シミズアスナ 陽和ななみ 小林宏樹 熊手萌 楓菜々 花音 濵尾咲綺 河村凌 村田充
作・演出:中島庸介(キ上の空論)
音楽:堀山俊紀
舞台美術:愛知康子
音響:谷井貞仁(Collage Sound)
音響操作:大橋純七(catSSound)
照明:若原靖
照明操作:中佐真梨香(空間企画)
衣装プランナー:平山空
衣装現場チーフ:石塚みづき
演出助手:保坂麻美子(キ上の空論)
舞台監督:住知三郎
宣伝美術:藤尾勘太郎
グッズ写真:山岸和人
グッズヘアメイク:道海梨乃
Web:ブラン・ニュー・トーン(かりぃーぷぁくぷぁく・阿波屋鮎美)
舞台写真:保坂萌
映像撮影:川上ルイベ
票券:株式会社オデッセー
制作:High-position
プロデューサー:中島庸介(キ上の空論)
企画・主催:キ上の空論
太田マドカは、ストレスで胃痛を抱えながらホストクラブの店長をしている。マドカはひょんな事から川辺タイラの“秘密”を知る。タイラの唾液には人を眠らせる成分があり、彼女の唾液を摂取した者は眠ってしまう。睡眠時間は摂取量次第。秘密を知ったマドカは不気味に思うが、それでもタイラとの友人関係は変わらずに続いた。その頃、とある教団の反社会性を批判し“被害者の会”を設立したタレント『江角弘光』が失踪した。事件はニュースやSNS で大々的に報道された。記者が教団に事件との関係を問いただしたが、教祖は全面否認した。数年後、マドカは旧友が話題の教団に入信し、既に幹部クラスへ昇り詰めていた事を知る。教団幹部の旧友、怒る旧友の家族、川辺タイラの秘密、暴走する教団と世間・・マドカの視界は、日常と非日常の狭間でおぼろげになっていく……一つの失踪事件をきっかけに動き出した暴走を、いくつかの視点から覗く物語。
PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHOI