目標に向かって諦めずに積み重ねていく大切さが詰まった作品
――お二人はとても良い関係のようですが、相手にここだけは負けない、というのはありますか?
島﨑 なんでしょうね?……でもあれかな、人に話しかける力(笑)。
梶原 そうですね。そこはいつまで経っても勝てる気がしないなぁ。
島﨑 別に争うことでもないし、負けない気でやってることでもないんだけどね(笑)。
――それはアニメシリーズの頃からそうだったのでしょうか?
梶原 そうですね。僕から行けない分、皆さん話しかけてくださって(笑)。
島﨑 一年以上やっても緊張してたもんね。談笑してても普通は主役中心に盛り上がることが多いけど、常にイジられ待ちだったもん。でもそこは、みんなしっかりがっくんを巻き込んで(笑)。
梶原 っていう、チームワークの取れた現場でした。ありがたい……。
島﨑 あっはっは(笑)。
梶原 それでいうと僕は逆に、内々で考えまくるというか、周りが見えなくなってしまうくらい、1個のことに集中するところですかね。
島﨑 突破力あるよね。でも俺も周りが見えなくなることあるよ。ブラッククローバーはポジション的にそうしてなかったけど、これが好き!ってなったら割とのめり込むタイプ。先輩とかに話かけちゃうのも、興味があって好きだからなんだよ。いろんなこと一旦置いといて話聞きたい!もっと知りたい!って。
――お二人とも、似ているところがあるのかもしれないですね。
島﨑 ともすれば偏執的なまでに一極集中するっていうのは、役者さんには多いのかもしれませんね。いろんな形はあれど。
――では最後に、若い世代の読者に向けて注目してほしいポイントやメッセージがあれば、ぜひお願いします。
梶原 自分もそうでしたけど、学生の頃って思春期特有の悩みがたくさんあると思うんですよ。でも、そういう時って、メッセージをストレートに伝えてくれるものの影響が案外大きかったりするんですよね。歌の歌詞もそうだけど、捻ったものよりストレートな言葉のほうが刺さることってあるじゃないですか。そんな感じでこの作品も、気持ちが揺らいだ時にまっすぐ立て直してくれるパワーを秘めていると思うので、ぜひ観てもらえるとうれしいです。言葉の力や映像の力もそうですけど、テレビシリーズを経て映画化されたことで、さらにスケールアップしているので、たくさんの人に楽しんでもらいたいです。
島﨑 映画からブラッククローバーを知った人は、「アスタって強い人なんだ」って思うかもしれないですけど、元はすっごい落ちこぼれだったんです。魔法が全ての世界で魔力がない、それでも魔法帝を目指し続けるっていう、コツコツ努力を重ねてきた人なんですね。なので、あえてメッセージを言うとしたら「近道って案外ないよ」っていうことかな。その時は近道だと思っても、後になって遠回りになることって実は多いんですよ。そこに至るまでの地力が備わっていないから、結局後になって苦労することになったりしてね。そういう意味でこの映画は、目標に向かって一歩一歩諦めずに積み重ねていくことの大切さが詰まった作品なので、ぜひ「案外近道はない」って言葉を覚えておいてもらえたらと。
――映画から興味を持ってアニメにさかのぼって観る人もいるかもしれません。
島﨑 そうですね。もし興味を持ったらぜひ、原作でもアニメでもどちらからでも良いので観てもらえたらうれしいです。「アスタって、こんなところから始まっていたの?」って、驚くかもしれないので。
Information
『ブラッククローバー 魔法帝の剣』
2023年6月16日(金)より全国ロードショー、Netflix全世界配信
キャスト:梶原岳人、島﨑信長、諏訪部順一、優木かな、森川智之、関俊彦 など
魔法が全ての世界で、生まれながらに魔法が使えない少年アスタ(梶原岳人)は、ライバルのユノ(島﨑信長)と魔道士の頂点「魔法帝」を目指して数々の強敵と戦ってきた。そんなアスタの前に現れたのは、最凶と恐れられ封印されていた先代魔法帝コンラート・レト(関俊彦)と3人の歴代魔法帝。魔法帝を巡って全魔法騎士団を巻き込んだ激闘が開始された――。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:KOZUE NAKAMURA
梶原岳人 Hair&Make:UKA,Stylist:内田考昭(A-T)
島﨑信長 Hair&Make:瓜本美鈴,Stylist:宇都宮春男(YKP)