店に足を運び自分のルーツに合っている洋服、自分の良さを引き出してくれる服を模索
――MVなどではバージルアブローとかヒップホップのそういうストリート文化みたいなのがメインになってたりしますが、そういう意味ではヒップホップという感じのファッションもお好みだったりしますか?
古川 僕はヒップホップの人間じゃないので、要素の一つとして取り入れたいなと思うんですけど、それが軸になることはないですね。僕のファッションスタイルで一番好きなのはパンク要素が強いものです。でもパンク一色になりたいわけじゃなくて、マーチン履けばいいところをリックにしてみたりしたり(笑)。そういう自分との闘いみたいなところが楽しいですね。自分で実験台になって毎日、何かやってます。自分ルールで、365日、絶対同じ格好しないと決めたり。靴下一つとかでも絶対に替えるようにするし、アクセサリーとかもそうだし、こことここが被っちゃってもここで何とか頑張ろうとか。自分で実験してるからこそ、いざスタイリングを携わろうと思った時に活きるなって思います。
――ビンテージブームがありますよね。何百万円もするジーパンとか、すごいのがいっぱいありますけど、そういうものにも興味があったりしますか?
古川 興味はあるんですが、自分は買う必要ないかなって思ってます。どれくらい先になるのかわからないですが、大成功を遂げた時に、呼吸するくらいの感じで散財できるんだったらいいんですけど、今、無理して買うものでもないかなと思ってます。
――洋服を突き詰めていくと、古着とかビンテージのディテールにたどり着いて、そこに対するオリジナルが求める部分が強くなっていって、そうなった時に「ええ?15万円するの?」みたいなものも多分出てくると思うんですよね。
古川 シビアな話っていうか、あまり大きな声で言えないですけど、古着業界はいくらでも商売できちゃうというか。値段がすごいことになってるじゃないですか。Tシャツ1枚でもそうだし、今は缶バッジとかもすごいことになってきていて。結局、デニムとかもほんとそうじゃないですか。で、さっき言っていたオフレコの古着屋はビンテージでも本当に安くて、商売する気がないんですよ。でも、ウチらはここに行き続けたいから、芸能関係の子も結構ちょこちょこ来たりするんですけど、みんなやっぱり外に教えたくないって(笑)。「なんだよ、教えてよ」とか冗談半分で言われるんですけど、プライドと向き合っている人たちなので、「他のところのほうが安かったって言われたくない」という理由だけで今の時代にオンラインもやっていない。オンラインの時代って、いろいろな人たちを見ていてもサイジングとかが周りの子たちと似ているとか、ちょっとバグっているなって正直思うんですよ。XL買っちゃえば、着れちゃうとか。楽だからそっちに逃げるから、どんどん自分のベストなサイジングが分からなくなってきてると思うんですけど、そうじゃなくて、自分の体型もそうだし、あとは相談できる人がいて、自分のルーツに合っている洋服、自分の良さを引き出してくれる服を模索していくことって、足を運ぶことによってしかできないことだと思うので、そういう生感というか、ライブ感みたいなのは大切にしています。
古川毅(SUPER★DRAGON)
2015年に結成した志村玲於、古川毅、ジャン海渡、飯島颯、伊藤壮吾、田中洸希、池田彪馬、松村和哉、柴崎楽の9人からなるミクスチャーユニット「SUPER★DRAGON」のメンバー。ラップやダンス、メンバーによるヒューマンビートボックスまで融合させた、Newミクスチャースタイルな楽曲に、目まぐるしく変わる9人のフォーメーションダンス、そしてキャッチーで一緒に踊りたくなる振り付けが魅力。個人としても2018年資生堂・シーブリーズのCMキャラクターに抜擢され、ドラマ「兄友」で俳優デビュー。主な出演作は、ドラマ「3年A組-今から皆さんは人質です」「結婚できないにはワケがある。」「箱庭のレミング」「僕らが殺した、最愛のキミ」、映画『犬鳴村』など。
Editor:Keita Shibuya,Photographer:Yasukazu Nishimura,Interviewer:Kei Osawa, Stylist:Tsuyoshi Furukawa
PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:KEI OSAWA,STYLIST:TSUYOSHI FURUKAWA