ファッションというものとの向き合い方

――サークルヘリテイジの魅力はどこにあると思いますか?

古川 彼自体がスーパーエリートというか、文化服装学院も途中でやめたらしいんですが、誰よりも服バカなところもあるし、あとはちゃんとメソッドだったり、ロジカルな部分を持っている。周りに偉大な先人達がたくさんいて、そういう環境があった上で今を生きる彼としての価値観があると思います。形は違うんですけど、本当に刺激を受けますし、表現をするうえですごく重要なマインドみたいなものを持っている一人だなって感じています。型無しじゃなくて、裏打ちされた基礎と型があった上で型破りができるのはすごく重要だと思います。それができるデザイナーってここ10数年なかなかいないんじゃないかなって思っていて、どう考えてもシーンのカリスマになる人だと思っていますし、リスペクトしてます。

――アメカジっぽい作りですか?

古川 パンクですね。この記事が出る頃にはリリースされてるのかな。ファーストコレクションは彼から見た裏原カルチャーを洋服にガッツリ落とし込んでいて、パンクの要素はやはり強かったです。彼自体がパンクの人間なので、パンクとストリートの要素や、アメカジの要素が入ったりとか。すんごい、お金かけてました。僕も今回衣装で自分が着ているライダースは彼のブランドのなんですけど。ガンガン使っていいよって(笑)。

――今後、ご自身でもいずれはモノ作りというか、コレクションを作ってみたいとか、ブランドをやってみたいとかありますか?

古川 いずれっていうくらいでしか考えていなくて、正直。今、そんな洋服のアウトプットができるかと言ったら、今の自分だと足りないなとも思うので、その時が来たら、タイミングがあればという感じくらいにしか思っていなくて。逆に軽はずみにできないなって思ってます。

――やるならもうバッチリ踏み込んで。

古川 今の自分はそういう洋服のアウトプットの表現ができる人間だと思っていないので。どちらかというとプロデュースするタイプだと思います。

――最後の質問です。今後、ファッションというものと向き合っていきたいですか?

古川 紛れもなく。生活もそうですけど、仕事にも自分で向き合って注力するようになって、完全に人生の一部みたいになっているので、磨けるうちに感性を磨きたい。歳をとればとるほど磨ける感性も磨けなくなってくると思うんです。磨こうと思っても追いつかなかったりとか、どこか凝り固まってしまっている部分とか、いろんなことが邪魔をしてくるだろうなって踏んでいるので、20代のうちにできることをやっていきたい。365日楽しんで服を着るということもそうですし、なるべくサボらないことがやっぱり大事なのかなと思います。それがあれば、多分いろいろなつながりとかにも活きてくるかなと思っています。

――ファッションで遊ぶことで、また別のお仕事の刺激にもなってますよね。

古川 そうですね。でも、スタイリストさんからしたら面倒くさいと思います(笑)。

古川毅(SUPER★DRAGON)

2015年に結成した志村玲於、古川毅、ジャン海渡、飯島颯、伊藤壮吾、田中洸希、池田彪馬、松村和哉、柴崎楽の9人からなるミクスチャーユニット「SUPER★DRAGON」のメンバー。ラップやダンス、メンバーによるヒューマンビートボックスまで融合させた、Newミクスチャースタイルな楽曲に、目まぐるしく変わる9人のフォーメーションダンス、そしてキャッチーで一緒に踊りたくなる振り付けが魅力。個人としても2018年資生堂・シーブリーズのCMキャラクターに抜擢され、ドラマ「兄友」で俳優デビュー。主な出演作は、ドラマ「3年A組-今から皆さんは人質です」「結婚できないにはワケがある。」「箱庭のレミング」「僕らが殺した、最愛のキミ」、映画『犬鳴村』など。