落ち込んだ私に元気をくれたワン・ダイレクション

――ここからは、坂巻さんのキャリアについてお伺いします。お芝居に興味を持ったきっかけから教えてください。

坂巻 お芝居に興味を持ったのは、短編映画のオーディションに出たのがきっかけです。そこからお芝居が楽しいと思うようになり、ワークショップに参加したり、いろいろな作品を観たりするようになりました。

――なぜ楽しいと思うようになったのですか?

坂巻 役になりきることで、自分とは違う人生が経験できるし、いろいろな感情に触れたり、知識が増えたりすることができると感じたからです。

――もともと人前に出るのは好きなほうでしたか?

坂巻 好きでした(笑)。高校でクラスの代表として英語の発表をしたことがあって、学年全員の前に立って「イエーイ!」って感じで楽しみました。あと高校時代はソフトボールをやっていたのもあり、髪の毛が短くてボーイッシュでした。女の子からも人気があり、文化祭で男装コンテストをした時はみんなの前でカッコいいポーズを取ったりして、ダントツ1位で選ばれました (笑)。

――学生時代に打ち込んだことを教えてください。

坂巻 スポーツです。小中高とずっと運動をやっていました。中学の時は陸上部に所属して、走り幅跳びと砲丸投げをやっていました。

――なぜその2種目を選ばれたのですか?

坂巻 もともとは走り幅跳びと短距離をやっていたんです。走り幅跳びと砲丸投げは練習場所が近かったので、休憩中に砲丸投げのところに行き、試しにポンって投げてみたら、砲丸投げの選手よりも飛んでしまって。それを見ていた顧問の先生から「坂巻ちょっと来い」と言われ、「砲丸投げの大会に出なさい」という話になりました(笑)。

――初心者にしてフォームが決まっていたんですね。高校生の時はソフトボールに所属していたそうですね。

坂巻 はい。でも、肺気腫になった時期があり、スポーツが思うようにできなくなり、その時に芸能界を目指したいと思うようになりました。

――なぜソフトボール部を選んだのですか?

坂巻 高校でも陸上競技部を続けようと思ったのですが、新しいことがしてみたくて。砲丸投げで培った強肩をソフトボールで生かせるかなと思ったんです(笑)。

――ポジションは?

坂巻 センターです。ホームベースまでボールを直に返して、監督から褒められていました。

――芸能界を目指そうと思ったのはなぜですか?

坂巻 肺気胸の手術をすることになった時に、大好きなスポーツができなくなり「私の取り柄って何だろう?」と落ち込んだ時期がありました。その時に元気をもらえたのが、大好きなワン・ダイレクションの音楽でした。私もワン・ダイレクションみたいに、人にパワーを与えられるような人になりたいと思い、芸能界を目指すことにしたんです。ワン・ダイレクションが生まれたイギリスに一人で行ったこともあります。

――もともと行動力があったのですね。英語は問題なかったですか?

坂巻 はい。母がハーフで、普段から英語に触れる機会が多いので、日常会話であれば問題なく喋れます。

――病気をする前は、進路について考えたことはありましたか?

坂巻 人の前に立つのが好きなので、漠然とですが、アナウンサーやキャビンアテンダントに興味を持っていました。

――芸能界に入ることについて、ご家族の反応はいかがでしたか?

坂巻 母は「いいじゃん!いいじゃん!」という反応でしたが、父は厳しい人なので最初は反対されました。でも私が頑張っている姿を見ているうちに、理解を示してくれるようになり、今はめちゃくちゃ応援してくれています。

――周囲の友達の反響はどうでしたか?

坂巻 みんな優しくて、「アリ~、頑張れ~!」と応援してくれました。

――実際に芸能の道に進んでみていかがでしたか?

坂巻 憧れていた世界なので楽しいですが、高校時代にスポーツをしていた時の自分に比べたら、まだまだ上がって行けると思うので、現状に満足してはいないです。自分を褒めつつ、さらに上を目指して頑張っていきたいと思っています。