曲作りも歌い方も新たな挑戦ばかりだった
――1曲ずつ制作過程を伺っていきます。まずは冒頭を飾るリード曲の「BYE BYE」。
Novel Core アヴリル・ラヴィーンを彷彿とさせるような、青春系の曲を作りたいなというのが僕的にあって。フェスとかで僕たちのことを知らないお客さんたちの前に出ても、一発でキャッチーだなって思ってもらえるような、1番を聴いてもらったら2番のサビのときには、みんなが口ずさめるぐらいの分かりやすさを入れたいって話をChakiさんにさせてもらったんです。そしたら童謡レベルでシンプルなコード進行を組み立ててくれて、ピアノだけで弾くと「本当に大丈夫かな……」って心配になるぐらいで、Chakiさんに「分かりやす過ぎる気もするんすけど」って言ったら、「ギターの弾き方とかで印象が変わるから」と。実際、ディストーションをかけたギターと一緒に、いろんなシーケンスが混ざったときに、全然印象が違ったんです。すごく勉強になりました。
――2曲目は「Green Light」です。
Novel Core 最初に踊れる曲を入れたいという話をさせてもらったんですが、今までの僕の楽曲ってダンサブルで踊れるR&B系が意外と少なくて、せっかくバンドでやるんだったら、そういう曲も試してみたかったんです。そしたらChakiさんがジャスティン・ティンバーレイクの曲をスタジオで流してくれて、「こういうノリをやってみてもいいと思うけどね」ってコードを弾いてくれたんです。
――曲にスムースに寄り添った歌詞も印象的でした。
Novel Core この曲が歌詞に一番苦戦したんですけど、本当に今まで自分がやってこなかったタイプの楽曲で、絶対に作らないメロディーだったので、メロディーが完成した後に歌詞をはめようとしたら「日本語ではめるのムズ!」ってなって。英語に逃げるのも違うなと考えていたら、レコーディング予定日に歌詞が全く書けてなくて。「まだイメージが膨らんでなくて、ちょっとヒントが欲しいです」という話をさせてもらって、一旦持ち帰って。その時期は1週間ぐらい、R&Bとダンスミュージックオンリーのプレイリストで、ひたすらいろんな洋楽を聴いて、ようやく歌詞を書くことができました。こういうメロディーのアプローチだと、こういう歌詞がはまるんだなという勉強にもなりましたし、レコーディングでもスタッカートを使う部分と、フェイクっぽく流す部分を使い分けるなど、歌唱に関してもだいぶ成長できたかなと実感した曲です。
――最後は「One,Two,Three」。
Novel Core これは完全にメロディー先行で、ドレミファソラシドのメロディーを使った、めっちゃ分かりやすいサビが特徴です。それぐらい思い切ったことを試してみたくて、ドレミファソラシドの音程を使った曲を調べてみたら、バンプ(BUMP OF CHICKEN)やミセス(Mrs. GREEN APPLE)も使っていたんですけど、サビ以外の部分にサラッと入っている程度だったんです。思いっきりサビに使うのって一瞬ヒヤッとするけど、それぐらいのことをやってみてもいいのかなとKumaさんに提案して。スタジオでそれに合わせてギターを弾いてもらって、それをChakiさんに持っていったら、「うん、面白いかもね」とブラスとかいろいろ足してくれて、壮大な雰囲気にしてくれました。この曲はキーの幅が広くて、強弱のコントロールが難しかったですね。
――Chakiさんから歌い方のリクエストもあったんですか。
Novel Core ありました。「Green Light」以外の2曲はディレクションで入ってもらって、Chakiさんのスタジオでレコーディングをさせてもらったんですけど、2曲とも力を抜いてほしいと。「BYE BYE」のときに言われたのが、可愛く歌ったほうが逆にディストーションギターには合うと。「One,Two,Three」はビートがヒップホップのトラックだからこそ、上に乗る声は脱力してるほうがいいよねということで、レコーディングは座って背もたれに寄りかかりながら超脱力して録らせてもらいました。