SNSでの反響の背景にあったメロディの巧みさ「耳なじみのよい曲」に

――前作「すき。」や最新曲「ぎゅっとして、」は、カバー動画やダンス動画を通してSNS上での反響もすごいです。

櫻井 前作は多くの方に音源を使っていただいて、その反響で昔の友だちからもDMが届いたんです。「お店で流れてたよ」とか「最近、バンド頑張ってるんだね」とか。広まっているんだなと、実感できましたね。

上原 TikTokはライブ以外の場所で、幅広い年齢層のファンのみなさんに聴いていただける場所と思うので、たくさんの方に使っていただいているのは、うれしいです。

金原 SNSは、時代として避けては通れないし、結果的に色んな人にYUTORI-SEDAIが広まればと思っています。

――作詞・作曲の時点で、バズらせるためにしている工夫はあるんでしょうか?

金原 正直、そこまで強く意識していません。でも、とにかくメロディが肝だと感じているし、あとで付ける歌詞を殺すようなメロディにはしないと心がけています。曲を聴いて「めちゃくちゃいいメロディなのに、字余りになってる」とか、「語呂がなんだか気持ち悪い」と思うこともあって。自分で作るときは言葉の響きも気になるので、細かいですけどサビで語尾を伸ばすなら「この母音にしよう」と考えるときもありますし、耳なじみのよい曲は「理由があるんだろう」と考えているので、前作や今作ではそれも評価していただけたのかと思っています。

――SNSでの反響も受けて、東京・下北沢SHELTERで開催する10月の初ワンマンライブは、チケットがすでにソールドアウト。12月には、東京・新代田FEVERでの追加公演も決定しました。

櫻井 今年は4〜5月にかけてツアーを回ったんですけど、東名阪の全箇所でありがたいことにソールドアウトして。次も同じくソールドアウトになったので、期待してくださるお客さんを裏切らないような、特別な日にしたいと思っています。

上原 やっと実現する初ワンマンライブは大事にしたいですし、前作から僕らを知ってくれたお客さんを楽しませるのはもちろん、スペシャルなライブにできるよう、しっかり練り上げて、リハーサルで作り込み、お客さんを満足させるライブにしたいです。

金原 先を見据えるなら、僕たちにとっては通過点にしないといけないものなんですよ。立派な到達点であるのも忘れずに、特別な日にしたいですね。自分たちだけを見るために集まってくれるお客さんをしっかり楽しませつつ、自分たちの“修行の場”としてステージに立てたら。初体験でセットリストの構成とか、いちから考えるべき部分もたくさんあるんですけど、いい意味でチャレンジングな気持ちで頑張りたいです。