総勢22名のダンサーズを起用した理由
――いよいよ2月11日に自身初となるアリーナ単独公演「“BRAIN LAND” at K-Arena Yokohama」を開催します。これまでの単独公演とは準備の方法も違いますか?
Novel Core 自分自身の興行としても最大規模なので、THE WILL RABBITSのメンバーのステージングも含めて全く違います。今回はダンサーが22名もいるので、各セクションの構成と演出が綺麗にハマらないといけないというのもありますし、どういう風に映像で抜くかも想像しながら、演出や構成を考えて。武道館クラスだと直接ステージから見える範囲が広いので、どうにかなっていたところが、アリーナになってくると目視で見るのが難しいエリアや、音や照明だけでは巻き込むのが難しいエリアも出てきます。どうやって、みんなに当事者になってもらうかを意識しながらステージプランを組んでいます。
――どのぐらいから具体的な準備を始めたんですか。
Novel Core それが今回はステージプランがフィックスするまでに時間がかかっちゃって……。どの公演も自分自身で演出家として入っているんですが、より今回は演出の根幹を担うということをテーマにやらせてもらっています。僕自身が演出を担うということは、ここでダンサーがこういう動きをして、ここで照明が暗くなるから、こっちに逃げられるなとか、はけて入ってみたいなところも全部イメージしながらセットリストを組んだほうが効率的なんです。ということはシンプルにやりたい曲を並べるのではなく、演出込み、ステージング込みでセットリストを組まなきゃいけなくて。それもあってステージプランがフィックスするまで動けなかったんですよね。もともとは去年9月の「BMSG FES’24」が終わるまでにはセットリストをトータルで出して、そこからバンドのリハーサルだけでも動き出そうみたいな話をしていたんですが、結果的に2ヶ月ぐらいセットリストの共有が遅れて、12月に入ったぐらいから一気に動き出しました。
――かなりタイトなスケジュールですね。
Novel Core 武道館のときにも入っていただいたんですが、今回もBE:FIRSTなどの演出チームにいるKOSUKEくんに入っていただいて、ミーティングをさせてもらって。僕のやりたいこと、イメージしているプランを一旦お伝えした上で、映像やカメラなどの細かいところを12月中旬までに詰めて、年内にできることはできるだけやって、年始から各所に発注をかけて動いてもらっている間に、僕たちはバンドだけでスタジオに入ったりしています。
――制作チームは今までの形を踏襲しているのでしょうか。
Novel Core 基本一緒ですね。
――22人もダンサーが入ると、今までとは見せ方も全然違うかと思います。
Novel Core ダンサーズに関しても、動きや人数の割り振り、この曲はこの人数でいこう、この曲のこのパートはこのぐらい人数を増やして、上下(かみしも)で散ってもらおうといったことは一旦、僕からダンサーチームをまとめているYastakaにアイディアを共有して、Yastakaと、Yastakaのアシスタントで入ってくださっているダンサーの方と3人でミーティングをさせてもらっています。演出チームのミーティングにもYastakaに参加してもらって、それぞれ齟齬がないようにやり取りしながら進めています。ダンサーの采配に関しては、Yastakaにお任せしてるところが多いですね。
――これだけステージ上にダンサーを揃えるのも初の試みですが、何かイメージしていたものがあったのでしょうか。
Novel Core この1年はKアリーナに向けて、同規模ぐらいの会場でライブをやっているアーティストの公演に意識的に足を運ばせてもらいました。たとえば同じKアリーナだとMrs. GREEN APPLEやBE:FIRST、MAZZELのぴあアリーナMMなどを見させてもらう中で、オープニングからメインステージだけで演出が完結していると、序盤でロアースタンドやアッパースタンドにいるお客さんたちのテンションが上がり切らないかもしれないと、実際にスタンド席から見て感じていたんです。ド頭から、そっち側にも意識が向くようにしたかったんですが、そうなると僕とバンドメンバーだけでは難しい。僕が上手のほうにメインで行って、ステージングをしているときに、僕の目が届いていない下手側のエリアでは、ダンサーたちに上手いこと煽りを入れてもらって、一緒にやっている雰囲気を作り出してほしかったんです。だから振りを細かく入れるとか、人数を多くして全員でユニゾンしてブレイクする部分を作るという意味合いで人数を増やしたというよりは、アクティングも含めての人数感で22名にさせていただきました。