「Baby you」は自分を新しい場所に連れてってくれた曲

――メジャー1stフルアルバム『messy bag』はどのように制作を進めていったのでしょうか。

有華 シングルで出した曲プラス新曲を何曲か入れようという中で、絶対に自分が入れたいと思っている曲と、アルバムを発売することが決まってから作った曲もあって。だからアルバム作る前から全部決めていたのではなく、その場その場の話し合いで決めていきました。初めての作業だったので、勝手の違うことも多くて、いろんな方が意見をくださるのはありがたかったです。

――アルバムタイトルには、どういう思いが込められているのでしょうか。

有華 「カバンの中がごちゃごちゃしている」という意味なんですけど、その中から取ってくれたものが曲となって、その気分によって聴いてもらえたらいいなって気持ちを込めました。

――今年1月にメジャーデビューして意識の変化ってありましたか。

有華 ずっと自分ごとだった音楽活動が、いろんな方々に携わっていただくことになって、より責任感を感じるようになりました。この環境だからこそできる編成なんかもあって、今までにない曲の作り方を楽しもうと感じているところもあります。

――1曲ずつ曲紹介を願いします。1曲目の「Partner」はSNSで大きな話題を呼びました。

有華 有華というアーティストを知っていただくようになったきっかけの曲ですし、最近は結婚式のBGMなどにも使っていただいているという話を聞くので、誰かが幸せなときに寄り添える曲になっているのはうれしいです。

――2曲目の「Bestie」は、「Partner」リリース後、EP『Stamp Rally』を挟んでのシングルです。

有華 「Partner」がいろいろなところで聴いてもらえるようになって、すごく友達が喜んでくれて、その感謝の気持ちで書いた曲です。友達に対してはもちろん、ずっと応援してくれていたファンの皆さんに対して書いた曲でもあります。

――3曲目の「Baby you」はメジャーデビューシングルですが、世界31カ国のApple Music J-POPランキングでTOP 10入り、世界8カ国のSpotifyバイラルチャートでTOP10入りするなど、海外でもヒットしました。

有華 「Partner」も私の人生を変えてくれた曲なんですけど、「Baby you」は日本を飛び越えて、いろんな国の方が聴いてくださって、自分を新しい場所に連れてってくれた曲です。

――日本以外の国に広がることは想定していましたか。

有華 もちろん日本で広まったらいいなとは考えていたんですけど、日本語の歌詞で、日本を飛び越えて聴いてもらえるのは想定してなかったですね。この曲で踊ってくれたり、日本語のままカバーをしてくださったりしているのを見ると、歌詞の意味が分からなくても、楽しい気分になってくれる曲になっているんだなと実感します。

――「恋ごころ」はメジャー4thデジタルシングルです。

有華 最近の曲の中では落ち着いた曲調で、インディーズ時代の歌い方や伝えたい言葉が込められている曲です。当時から私の曲を聴いていた方は、「懐かしい」って言ってくれますし、「Partner」から知ってくれた方にとっては新しい有華を知ってくれる曲になったのかなと。

――歌に寄り添った温かみのあるシンプルなアレンジです。

有華 自分の声がより届くような曲にしたかったんですよね。

――5曲目は「#Me」。

有華 自分の機嫌は自分で取ろうと歌っている曲です。「自分のことは自分で愛してあげよう」と日頃から思うんですけど、それって難しいことなので、それを曲で伝えれたらなという思いで歌いました。

――可愛らしいコーラスが印象的です。

有華 ちょっとふざけたところもありますが、それも私らしさかなと思っていて。見た目のイメージだとクールに見られることがあるんですけど、そんなこと全然ないんですよ。おしゃべりも大好きですし、ふざけるのも大好きですし。まあ、「しゃべらんかったらいいのに」ってよく言われるんですけど(笑)。そういう部分を盛り込めた曲かなと思います。