体育教師を目指すも物事を教えるセンスがないと気づいて断念
――大学のお話が出ましたが、三浦さんは大学でスポーツ健康科学部を専攻されていました。どういう理由で、その学部を選択したのでしょうか。
三浦 もともとは体育の教員になろうと思って入学したんですが、自分には物事を教えるセンスがないと気づきまして、途中で断念しました。
――どのぐらいのタイミングで断念したんですか。
三浦 2年生のときです。3年生になると実習が入ってくるので、その実習を申し込むタイミングでした。
――大学ではライフセービング部に所属していたそうですが、どういうきっかけで始めたのでしょうか。
三浦 小さい頃から水泳を習っていて、中学時代は水泳部、高校時代は水球部に所属していたんですが、高校の体育の先生がライフセービングをずっとやっていて、日体大のキャプテンを務めた方なんです。その先生に勧められて高校からライフセービング部にも所属しました。
――高校でライフセービング部って珍しかったのでは?
三浦 おそらく日本で初めてライフセービングの大会に出場した高校だと思います。
――どうしてライフセービングをやろうと思ったんですか。
三浦 先生に「泳げるならやってみろよ」と軽い感じで言われたんですが、あんなに大変だと思わなかった。騙されましたね(笑)。ただ競技とは違うやりがいがあって。それまで水泳のトレーニングを積んできたことが、何かの役に立つんだということに魅力を感じたんです。そしたら、その先生に「ちゃんとライフセービングをやるなら体育大学も考えてみれば」と言われて、「なるほど」と。尊敬できる先生で、この人みたいな先生になれたらいいなという気持ちもあって、体育大を目指しました。
――先ほどお話にあった、教えることに向いていないと思ったのはどういう面ですか。
三浦 たとえば、ずっと水泳をやってきたのに、それを人に教えるとなると、自分の体の動きなどを上手く言語化できないんです。「すーってやってパン!」みたいにニュアンスで伝える感じになってしまうんですよね(笑)。学生に「こういう感じ」と言っても絶対に伝わらない。こりゃ駄目だなと諦めました。