表現力の高さに唸らされるライブ

9人組ダンス&ボーカルグループの超特急が、東阪アリーナツアー『T.I.M.E Truth Identity Making Era』を12 月9 、10 日に横浜・ぴあアリーナMM 、12 月23、24 日に大阪城ホールで開催。2011 年12 月25 日の結成から丸12 年というタイミングで行われる今回のライブということで、多くの8号車(超特急ファンの総称)が会場に詰めかけた。

昨年8月に11号車から14号車の新メンバー4 人を迎えた超特急。フリーライブイベント「お試し超特急」を実施するなど、着実にファンを増やし、全4公演が、立ち見も含めて完全ソールドアウト。トータルで4万6千人もの8号車が集結した。

カラフルに輝くサイリウムが煌めく中、ステージ中央の巨大LEDパネル上で時計の針が0 時ちょうどを指すと、パネルが2 つに割れ、中から白のセットアップを着た9人が登場。火柱が大迫力で打ち上がり、本ツアーのために制作され、事前情報もなかった新曲「Countdown」でライブがスタート。7人のダンサーそれぞれが順番にセンターを取ってアピールする一幕も見られた。

現体制で初披露となる初期曲「Secret Express」のイントロが流れると会場からは大きな歓声が。ダンスリーダーでもある5号車のユーキによる圧巻のソロパートを経て、同じく9人では初披露となる「Time Wave」へとつながっていく。3月に発表した最新アルバム「B9」から「KNOCK U DOWN」、“MORAダンス”がSNSでも話題となった「MORA MORA」を披露。12号車マサヒロのキレキレのダンスにさらに磨きがかかっていた。

「一緒にクラップしましょう!」という煽りに8号車も全力で応える「DJ Dominator」、「We Can Do It!」、「Chill out@JP」と立て続けに披露。「We Can Do It!」はセクシーなダンスチューンで9人の妖艶なダンスに8号車が魅了される。2号車カイと7号車タカシによるデュエット「Chill out@JP」では、夜景のネオンをバックにさらなる大人なムードを加速していく。

次のパートではアコースティックギターとキーボードの生演奏で、ボーカルの2 人がそれぞれソロ歌唱。1 1 号車のシューヤが歌う「refrain」では、美しく高い歌声に切なさをにじませ、7 号車のタカシは「小さな光」をエモーショナルに歌いあげ「もう大丈夫」という歌詞で優しく微笑む。2人の歌声を際立たせるシンプルな演出に、メインボーカル2人の歌唱力の高さ、表現力の高さに唸らされるひとときであった。

ステージ一面に広がる星空と生演奏をバックに「Starlight」がスタートすると、タカシとシューヤによるなめらかな歌声と歌詞を身体全体で表現するダンスが重なり合っていく。6ラブソング「B illion Beats」では、「この時間をみなさんと共有したいです。一緒に歌いましょう」というタカシの呼びかけに応じて、8 号車が大合唱。愛あふれる歌声に、タクヤは「ありがとう!」と目を潤ませた。