パワフルなステージングのケタチガイ 世界観全開のharha

Adoの「ウタカタララバイ」をいきなりのアカペラで披露、会場の空気をガラリと変えたのはアーティスト・mona+によるソロプロジェクトのケタチガイ。ピンクのファージャケットを基調とした華やかなコーディネートで登場。

「相手に対する不満や怒りを表した、救いを求める曲」という「Stranger」では、凄まじい速度で落下していくアニメーションと浮遊感あるトラックがクールな現代的な楽曲だ。「忘れたいのに忘れられない乙女心を歌った曲」と紹介された「Dimmer」では切ない歌声を披露し、ギャップを見せつける。

自身のキービジュアル映し出されたスクリーンをバックに、ヒップホップカラーが濃い「無礼King」は、「世の中に対する怒りや鬱憤を詰め込んだ曲」であり、それらの感情を覆すパワーを感じさせる。初披露となった新曲「お気楽Luck Life」では、「皆さんの1週間はずっとラッキーです!」と自作のハンドサインを掲げて声と拳をあおり、会場全体を笑顔にさせた。

ハルハ(Creator/Rap)とヨナベ(Vo)による2人組の音楽ユニット・harha。ハルハがマニピュレーター台の前でギターを抱え、ヨナベが半透明のパーテーションの向こうで歌う。昨年の配信以来YouTubeでの再生回数が248万回を超えている「人生オーバー」から、堂々たるライブがスタートした。

「浪漫人」から「怪々界」へ、雰囲気を一気に変える繋ぎも面白い。トラックとリリック、MV全てが絡み合って映画や小説を読んだかの様な満足感を感じさせる。「みなさまを童話の世界にお連れいたします」という説明から始まった「アンデルセン」は、見る者の想像力を掻き立てる少年と少女のアニメーションをバックに、唯一無二の世界観を繰り広げる。

ハルハの呼びかけ手拍子が湧き、雪崩れ込んだ「ボクラノ」では、場内はきらびやかな音があふれるダンスフロアに一変。エレクトロなビートに乗って半透明の囲いの向こうでリズミカルに歌うヨナベの歌声に、ハルハの粒立ったラップが差し込まれ、盛り上がりを増していく。軽快で心躍るサウンドに湧いた拍手がテンポを落とし、手拍子となって彩ったのが「アルテルテ」。最後に「まだ発表していない、世に出ていない曲を」と「草縁(くさゆかり)」を初披露。「未来に地続きで連なる毎日を面白おかしく生きられるように作りました」という言葉の通り、力強く響くリリックと歌声の融合に会場は魅了された。