総勢38組参加の楽曲『トキメキUNITED』で「アイドル」の真髄にふれて
――認め合う3グループは、総勢38組のメンズリアルアイドルが参加する「リアルアイドルプロジェクト」の一角をそれぞれ担います。プロジェクトの一環では、全グループ参加バージョン。そして、TOBY HOMESを除く37組が各自でレコーディングしたバージョンのシングル『トキメキUNITED』のリリースも。
YUMA シングル楽曲は普段やらない曲です。ストリート出身の立場からすると「アイドルって、こういうことか」と思いました。嘘は付けないので言いますけど、カッコよくはない…。でも、盛り上がれる曲ではあります。コールがしやすく、お客さんと一緒に作っていける曲だと思いますし、色んなグループが同じ曲で自分たちの味を出せるようにレコーディングして、結局「どんな感じになるんだろう」と、楽しみです。オレらは、ふざけ倒したので。他のグループは「何を出してくるか」の、大喜利だと思っています(笑)。
――(笑)。ちなみに「アイドルって、こういうことか」と思った真意が気になります。どこか、抵抗のようなものがあったのかなと。
YUMA 抵抗ではなく、オレらが言うのは「失礼」だと思ったので。ダンスパフォーマンスメインで、そういった分野に背を向けて生きてきたんです。夢を売る仕事の上位ですし、生き方を見ると大変じゃないですか。だから、オレらがやれなかったことを実際にやっている子たちを最近見ていて、純粋にリスペクトしています。
芝健 僕らにとって、プロジェクト参加は新鮮でしたよね。でも、ステージに立っているのは近しくもあって。
YUMA だから、プロジェクトを通して、オレは「アイドルになれない」と思うほどの衝撃を受けました。
芝健 ブレイクダンスをやっている僕らの界隈では、パフォーマンスする人を「Bボーイ」と呼んでいて「Bボーイは生き方である」と考える人が多いんです。でも。同じステージでアイドルの方々と一緒に立ち、たくさん応援をいただいている身で「Bボーイと何が違うんだろう」と考えたとき、アイドルの方々と違うのは、まさしくその「生き方」じゃないかと思いました。否定するのではなくて、アーティスト活動は共通で、かたや、アイドルの方々はキレイなものを見せていて、僕らはパフォーマーとしての「生き方」に徹しているのかなって。
YUMA アイドルの方々はビジュアル、歌、ダンスと、すべてに気を使わなければいけないし、自信を持たなければいけないのは尊敬しているよね。オレらは、それができないから。だからってわけじゃないけど、37組それぞれのバージョンがある『トキメキUNITED』で、オレらのバージョンは別の曲になってると思う(笑)。
HIDE 僕のいるTOBY HOMES、芝健のいるアナタシアは「ガヤ」だけで、歌ってないし(笑)。
芝健 (笑)。でも、リリックを歌わないから、お客さんと掛け合いしやすいのはメリットだと思ってる。声を出しているのは、いわゆるコールの部分で「ガヤ組」としての一体感を楽しめそうとは、思います。
――まさしくその盛り上がりが、2024年3月13~14日開催の多数のメンズアイドルが共演する「リアルアイドルフェスティバル」(東京・東京ガーデンシアター)でも楽しめそうです。
芝健 いつもとは畑が違い、今回は僕らがアイドルのみなさんに混ぜていただき、知らない方がたくさんいる大きな会場なので、まず、演者として歌っているみなさんを「ガヤ」で盛り上げつつ、会場のお客さんと一緒に盛り上げられたらうれしいです。
HIDE 歌とダンスに慣れているであろうお客さんからすれば、ダンスだけで見せるグループは珍しいと思いますし、ふだんふれない文化を純粋に楽しんでいただきたいです。他のアイドルグループの方を、武器のダンスでバックアップできる部分もあるでしょうし、重なり合ったら素敵なものが生まれそうで、楽しみにしています。
YUMA うちらはもう、色物として頑張ります。バラエティー全開のグループとして、休憩がてらで僕らの『トキメキUNITED』を聴いていただければありがたいかな(笑)。今回は「リアルアイドルプロジェクト」なので、アイドル目線で参加させていただきますけど、ストリートの立場からした意気込みもあります。けっして、けなすわけではなくて、こっちの世界には「来れるか?」という気持ちも抱きつつ、ステージで見せたいです。
Information
トキメキUNITED
2024年4月2日(火)リリース
総勢38組、全グループ参加の共通バージョン。TOBY HOMESを除く37組のグループがそれぞれレコーディングしたシングルを同時発売。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:SYUHEI KANEKO