コスプレの原点は、留守番中に見た『魔女の宅急便』

――STREAM初登場となりますので、今回は、あかせさんの活動の原点から、順番にお話を伺ってみたいのですが、小さい頃はどんなお子さんでしたか?

あかせあかり(以下、あかせ) 年齢に似合わず、結構、冷静だったかなと思っていて、隙あらば、屁理屈を言うような子どもでしたね(笑)。

――小さい頃から、何かを表現したり、目立ったりすることが好きだったのですか?

あかせ 絵を描いたり、工作をしたり、1人で何かを作ることがすごく好きで、例えば、今の活動に通ずるもので言うと、ダンボールで剣を作ってみたりだとか、そういうことをやっていました。ひとりっ子なので、ひとり遊びが好きでしたし、友達と遊んでいる時も、ひたすら何かを作ったりしていました。

――今の活動にも繋がっているとのことですが、原点のような作品やキャラクターはあるのですか?

あかせ お留守番中に、いつも映画『魔女の宅急便』を見ていて、セリフも全部覚えていました。母親の黒いワンピースを着て、頭によく分からないリボンを付けて、一人でキキになっていたらしいです。

――子どもの頃の夢は何でしたか?

あかせ TVドラマをよく見せてもらっていたので、女優さんになりたいと思っていました。でも、母はそういう業界は絶対に駄目だと言って、反対だったんですよね。それで、高校生になるまでに、オーディションに受からなかったら、その夢は諦めてと言われて、中学2年生と3年生の時にオーディションを受けたんですけど、結局落ちて…。どっちもいい所までは進んで、あと1票多ければとか、そういうレベルだったので、許してもらえるのかなと思ったら、「落ちたから駄目です。将来はちゃんとした仕事に就いてください」と言われて…。すごく悔しかったんですけど、女優さんになりたいという夢は諦めていました。

――それからは、どんな夢を描いていたのですか?

あかせ 美容師さんになりたいと思っていました。母も現実的だからと許してくれたんですけど、ある時、好きなアニメ作品を調べていたら、コスプレイヤーさんの情報が流れてきて、「こういう楽しみ方もあるんだ!私もやってみたい!」と思って、ご飯を食べている時に、母親にコスプレをやってみたいと言ってみたんですよ。そしたら、「絶対にそんなことやらないで。やったら勘当するからね」と言われて…。そうは言っても実際にはそこまでしないだろうと思って、高校3年生の時に、アニメ好きの友達と一緒に、初めてコスプレイベントに行ったんです。それで、イベントのパンフレットを机の上に置きっ放しにしていたら、母親が「何これ?駄目って言ったよね?」って言って、人生で初めての大喧嘩をして、そこから、ずっと口も利かないような日々が続きました。ただ、父親は反対せず、「今日は何のコスプレをしたの?」、「人生1回だから楽しいと思うことやりなさい」と言ってくれました。「その代わりに、勉強はちゃんとするようにね」と。

――そんなお父様の後押しもあって、コスプレを続けられたわけですね。

あかせ そうですね。母親とはそのまま口も利かずに、気まずい関係が続いていたんですけど、コスプレをSNSに投稿し続けていたら、色々な反響をもらえるようになって、母親もちょっとずつ許してくれるようになりました。それで、事務所の方から連絡が来て、今の活動へと繋がっています。

――その後はお母様も応援してくれている感じですか?

あかせ 今はもう認めてくれて、応援してくれるようになりましたね。ただ、私よりも色々チェックしているみたいで、「もっとこうした方がいいんじゃない?」とか、そういうアドバイスをしてきたりもします(笑)。あとは、私がちょっと弱音を吐いたりすると、「自分でやると決めたことでしょ」と言って、私の弱音を跳ねのけてくれたりもするので、一番の理解者です。

――ちなみに、SNSにコスプレを投稿して、すぐに反響があったのですか?

あかせ 今から考えたらそんなにクオリティは高くないはずなんですけど、TikTokでは、それなりに反響をいただきました。最初は、仲間内でのお遊びみたいな感じで始めたので、嬉しかったんですけど、そんなに反響をもらうほどのことをしているつもりはなかったので、戸惑いはありました。

――そこから、ご自身でもバスっているなと感じたのは、どんなタイミングでしたか?

あかせ それこそ、事務所の方から連絡が来るようになったり、どんな投稿をしても、10万を超える「いいね」が付くようになったりした時は、今思えば、毎日何かを載せなきゃという変な使命感みたいなものを感じていたと思います。