聞いてくれる人に自信をつけてあげられるような楽曲
――2025年1月4日にリリースされるシングル「水平線」は、TVアニメ「空色ユーティリティ」のED主題歌になっています。矢作さんにとって初の書き下ろしアニメタイアップ楽曲となりますが、どのような思いを込めて制作されたんですか?
矢作萌夏(以下、矢作) 自分らしさを見つけることの重要さ、そして自分らしくいられることは特別なことなんだって、聞いてくれる人に自信をつけてあげられるような楽曲にしたいと思って作りました。
――タイアップとなったアニメは、ゴルフをテーマに3人の女子高生の青春を描くスポーツコメディです。
矢作 アニメは主人公の(青羽)美波ちゃんを含めて、まったく趣味の違う女の子たちがゴルフというスポーツを通じて互いに助け合いながら自分の夢を見つけていく作品。劇中のイメージから反映させたメロディもありますし、このアニメを観た方々にも愛していただけるような楽曲にするために、いろいろと試行錯誤もしました。友達との支え合いや友情からインスピレーションを受けて制作するのも初めてだったので、作りながら「青春だなあ」って羨ましい気持ちもありましたね(笑)。
――編曲においては、数々のアーティストの楽曲制作に携わっている音楽プロデューサーの宗本康兵さんと共同で手掛けています。どのような流れで制作を進めたのでしょうか?
矢作 まずピアノのメロディに歌詞も付けた、ほとんど完成品と変わらないデモを作りました。そのデモをもとに宗本さんと「アレンジはザ・J-POP」「爽やかなサウンドにしたい」というようなお話をして。それでエレキを強めに入れていただいたり、音数自体は多い方ですけど、リズムもきっちり刻んでもらうよう、気をつけました。
――レコーディングはいかがでしたか?
矢作 言葉を一つひとつきちんと届けたかったので、はっきり歌うことを意識して臨みました。ただ、高低差のある曲だし、なにより言葉が詰まってるから大変でした。自分で書いたメロディなのに難しくて、「あなたが考えたんでしょ?」ってみんなに言われちゃいました(笑)。
――透き通った芯のある歌唱が印象的で、明るく前向きな気持ちになれる楽曲だと感じました。
矢作 青春や友情がテーマにありますが、聴く人それぞれの心に響くものがあると思っているので、たくさんの人に聞いてもらって、その人の人生に重ねてもらえたらなと思います。
――本作はバラードとなりますが、ふだん作詞作曲をする上で意識されていることは?
矢作 なにごとも普通になりすぎたくないという思いは昔からあります。みんなと同じようなことはしたくない性格だったので。だから曲を作るときも不思議な表現や引っかかる言葉を入れたりするんです。例えば「水平線」だったら、歌詞の「愚かでバカな傷に~」っていう部分とか。
――あえて強めの言葉を入れることもあると。
矢作 そういうところはいつも苦戦しています(笑)。