ライブをイメージしながら曲を作ることが多い
――この一年、怒涛の勢いでシングルをリリースしていますが、これもKアリーナに向けてという側面があったのでしょうか。
Novel Core Kアリーナが決まってから、スペシャルゲストの呼び込みも含めて、このタイミングでこういう曲が世に出ていることが大事だよなというのを意識しながら作っていました。あとライブを作るとき、僕に限らずBMSGアーティスト全体にそういう傾向があるのかもしれないんですが、ライブに向けて曲を作るんです。普通は曲を作って、その曲をどう見せようかというところでライブを作っていくのが一般的だと思うんです。でも僕らはライブがメインにあって、先に映像や音のイメージが浮かぶんですよね。こういうバンド編成やダンサーズでステージに立って、こういう照明で、こういうステージングにしたいみたいな。今の持ち曲の中だと、そういうステージにできないから、こういう曲が必要だよねということで、曲を作るみたいな作業を日常的にやっているんです。今回の一連のシングルでいうと、「WELCOME TO MY BRAIN」がまさにそれです。毎回そうやって曲を作っているので、今回もアリーナが決まってから、こういう曲をやりたい、こういうセクションを作りたいと想像していく中で、今の持ち曲だと、この弾が足りないなというのを先にイメージして、もう少しラップの曲が必要だなとか、もう1曲ぐらいギターロックが必要だなとか、エモーショナルな恋愛ソングが必要だなとか、そういうことを想像しながら1年間、曲を増やしていきました。
――コンセプトアルバムを作るみたいな感覚ですかね。
Novel Core まさに!意図せずそうなっている感じです。そうやって曲作りはライブのイメージが先行することが僕は多いですね。
――今の規模感で単独公演をするようになって、そういう傾向が強くなっている部分もあるんですか。
Novel Core そこは昔から変わらないです。とにかくライブが大好きで、曲作り以上にライブをしている時間が好きなんです。曲作りが楽しいと思えるのも、ライブパフォーマンスに対してOUTERのみんなから良い跳ね返りが会場内であったときなんですよね。このパートでみんな歌ってくれるんだとか、こんなにジャンプしてくれるんだとか、ミドルテンポだから、ゆったり聴く感じなのかなと思っていた曲が大合唱だったり。みんなが楽しんでいる姿を目の当たりにして、それが曲作りのモチベーションの源流になっています。
――実際にライブでやってみて、意外な反応もありますか?
Novel Core 結構あります。思ったよりも、この曲で盛り上がるんだというので言えば、「RULERS」ですね。アニメのタイアップだったので、久々にライブパフォーマンスをメインで考えずに、アニメの世界観を大切に作った曲で、ピッチが低いし、デカい声で歌う曲じゃないから、そんなにライブで盛り上がる曲じゃないだろうと思ったんです。ところが去年の「ロッキン」(ROCK IN JAPAN FES. 2024)でマイクがトラぶって僕の声が出なくなったときに、みんなが大きな声で歌ってくれて、そういう育ち方をするんだとびっくりしましたし、うれしかったですね。
――OUTERのライブの楽しみ方も多様になっているんでしょうね。
Novel Core 僕の場合、1年間でリリースしている曲の振り幅が普通におかしいと思うんです(笑)。年始に「I AM THE」でバチバチにラップをやったかと思えば、「カミサマキドリ feat. Takuya Yamanaka (THE ORAL CIGARETTES)」みたいなギターロックを出して、年末には恋愛ソングの「ずっと」を出すなんて訳が分からないでしょう。でもみんながそれに飽きずに楽しんでくれているのがうれしいし、「こういうNovel Coreも好き」みたいな声も多いので、曲作りの指標になります。
――Novel Coreというアーティストの捉え方が、聴く人によって違うという傾向が強くなっているように感じます。
Novel Core たくさんフェスに出させていただいたのも大きいと思うんですが、ある人たちから見たらバンド、ある人たちから見たらボーイズグループの文脈にいる人、ある人たちから見たらラッパーと、見る人の角度によって違って見えるのはうれしいですし、それを極めようという気持ちも大きいので、自分としては良い流れですね。
Information
Novel Core史上初となるアリーナ単独公演 『”BRAIN LAND” at K-Arena Yokohama』 2025年2月11日(火・祝) 開催決定!
公式サイト
Novel Core
東京都出身、24歳。ラッパー、シンガーソングライター。 SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。 高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有する一方で、決してジャンルに縛られることのない特有のスタイルがファンを集め、アルバム作品が各チャートで日本1位を獲得するなど、メジャーデビュー後の短期間で爆発的にその規模を拡大。 Zeppを中心とした大型のライブハウスを周遊する全国ツアーや、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、2月には自身初のアリーナ単独公演が決定するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続ける新世代アーティスト。 ミュージシャンとしての存在感を確かなものにする一方で、FERRAGAMOやETROなど、トップメゾンのモデルに起用されるなど、ファッション業界からも注目を集めている。
PHOTOGRAPHER:YASUKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI