向いている、向いていないというのは自分で判断するものではない
――キャリアについてもお伺いします。この世界に入ったきっかけを教えてください。
山崎 4歳からキッズモデルをしていたんですが、当時は「なんで面白くもないのに、カメラの前で笑ってポーズをとらなきゃいけないんだろう」と思っていました(笑)。キッズモデルは小学校に入ったタイミングで辞めたんですが、目立ちたがり屋ではあったので、中学入学の直前くらいに別のモデル事務所に入りました。そこでの活動期間も短かったのですが、徐々に「自分は芸能の道に進みたいのかも」という気持ちが湧いてきて。そんなときに「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」を見つけたのですが、その年は締め切りが終わっていて。翌年の2010年に出場して審査員特別賞を受賞したのが、本格的に芸能活動を始めるきっかけでした。
――最終審査のパフォーマンスではL’Arc〜en〜Cielの「Caress of Venus」を歌ったそうですね。
山崎 この世界に入ろうと思ったのは大好きなL’Arc〜en〜Cielさんの影響が大きくて、漠然と表現することに憧れていたからなんです。
――その時点でお芝居をやろうと考えていたんですか。
山崎 ジュノンボーイと聞くと、俳優のイメージが強いので、応募した時点で「演技をやることになるんだろうな」という認識はありましたが、そこまで意識はしていなかったですね。
――学校でも目立つタイプだったんですか。
山崎 特別目立つタイプではなかったんですが、人を笑わせるのが大好きで、どちらかというとムードメーカーでした。
――初めてのお芝居はいかがでしたか。
山崎 全然向いていないなと思いました。お芝居は役として生きるので、目立ちたがり屋な部分が邪魔になることも多くて。最初は何も分からずにお仕事を始めたので、いつも悩んでいましたし、「向いていないから辞めよう」と短絡的に考えてしまうこともありました。ただお仕事をしていくうちに、向いている、向いていないというのは自分で判断するものではないのかなと思うようになりました。
――最後に改めて『星の降る時』の見どころをお聞かせください。
山崎 イギリスの作品ということで、日本人と抱えている問題は違うと思う方もいるかもしれませんが、実はそんなことはなくて、現代の日本でも起きているようなことが描かれています。ちょっとしたボタンの掛け違いで人の醜い部分が浮かび上がるのですが、滑稽だなと笑える中にもメッセージ性があって。「時間は過ぎていくものだから、“今”という時間を楽しまなければ損」というのもメッセージの一つです。どんなことがあっても人生は続いていきますし、観に来てくださる方々の明日にも繋がっていくような作品になるはずです。
Information
パルコ・プロデュース 2025
『星の降る時』
出演=江口のりこ 那須凜 三浦透子 近藤公園 山崎大輝 八十田勇一/
西田ひらり 佐々木咲華 下井明日香/秋山菜津子 段田安則
作=べス・スティール
翻訳=小田島則子
演出=栗山民也
企画・製作=株式会社パルコ
会場=PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)
東京公演:2025年5月10日(土)~6月1日(日) PARCO劇場
山形公演:2025年6月8日(日) やまぎん県民ホール
兵庫公演:2025年6月12日(木)~6月15日(日) 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
福岡公演:2025年6月21日(土)~6月22日(日) キャナルシティ劇場
愛知公演:2025年6月27日(金)~6月29日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール
イギリスのかつて栄えた炭鉱町に生まれ育った三人娘。 今では二人の娘を持ち相変わらず倉庫勤務の長女ヘーゼル(江口のりこ)と、町に嫌気をさして実家を遠く離れていた次女マギー(那須凜)、そしてポーランド移民と恋に落ちた三女シルヴィア(三浦透子)。 今日は三女の結婚式。母親代わりの叔母キャロル(秋山菜津子)と共に、パーティの準備をしている。 早くに妻を亡くしたが、三姉妹を守ってきた父親トニー(段田安則)、その兄とは長年に渡る絶縁状態の叔父ピート(八十田勇一)、移民に職を奪われ失業状態の長女の夫ジョン(近藤公園)も久しぶりに顔を合わせ、三女の夫マレク(山崎大輝)を迎えて祝いの宴が催されるが、人生で最も幸せなはずの一日が、問題をはらんだ家族間の扉を開けてしまうことになり……。果たして家族は再び向き合い、新しい朝を迎えることができるのか。
山崎大輝
1995年10月3日生まれ、静岡県出身。2010年、第 23 回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにて審査員特別賞を受賞し、2011年より俳優としての活動を開始。2017年、スーパー戦隊シリーズ「宇宙戦隊キュウレンジャー」にてナーガ・レイ/ヘビツカイシルバー役で出演。俳優のほか、ソロプロジェクト「眠りにつくまで付き合って」にてアーティスト活動も精力的に行っている。近年の主な出演作はミュージカル『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』、『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(24年)、『スリル・ミー』(23年)など。今年秋に『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Blessing Moment-への出演を控える。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:MIYUKI HAYASHI,STYLIST:TAKAAKI UCHIDA (A-T)