千秋の心情をそのまま曲に落とし込んだ「Say Yes」

――共演者の印象を教えてください。

NOA 朝倉浬くんを演じる阿久根(温世)くんは、21歳にしては落ち着いていますが、年齢が離れているので弟みがあります。現場でよく話しますし、急に「TikTok一緒に撮ってくれませんか?」と言ってくるのがかわいいなと(笑)。天ちゃんを演じる阪口さんは、おしとやかなイメージが第一印象だったんですけど、話すと天然で面白いんです。予想外の答えが返ってくるというか。たとえば、気温の低い日に外でのシーンを撮っていた時に、「今暑いですか?」と聞いてきて、「めっちゃ寒いですよ」と答えたら、「なんか暑そうだなと思って。全然寒そうじゃないですよね」と言ってきて(笑)。ふわっとした、いい意味で気が抜けるような会話が、天ちゃんの雰囲気にリンクしています。

――その二人といる時、NOAさんはどんな立ち位置を考えていましたか。

NOA 主演という役割もありますし、年齢も僕が一番上なので、お兄ちゃんのような存在でいたいですし、引っ張っていく存在になりたいと思っていました。

――現場の雰囲気はいかがでしたか。

NOA スタッフさんが素敵な方たちばかりで、いつも笑いが絶えないというか。撮影の前半は全国ホール・ツアーと並行していたんですが、全く苦にならなかったのは、楽しく撮影させていただいていたのが大きかったです。

――ツアー中の撮影で混乱はしないんですか。

NOA 千秋という役が、アーティストのNOAと近しいというか、あまり離れすぎてないから、温度差がないんです。だから無理なく両立できました。

――エンディング主題歌の「Say Yes」も担当されています。

NOA アニメの主題歌をやらせていただいたことはあったんですが、自分が出演するドラマは初めてで。原作がテーマとしてあって、自分が千秋を演じているからこそ、より心情も分かりますし、千秋が曲を書いて世に出したらこんな風になる、という気持ちで曲を書きました。千秋モードに入っている時に、千秋の心情をそのまま曲に落とし込んだんです。自由に書かせていただいたおかげで、今までとは違う曲の書き方もできましたし、より千秋を理解するきっかけにもなりました。実体験だと自分の目で見たビジョンがありますけど、再生はできません。作品のテーマ曲であれば、何回も原作と脚本を見返せるから、面白かったです。

――癖の強い千秋を演じていてプライベートに影響は出ませんでしたか。

NOA ドラマの情報解禁後に配信をしたら、ファンの方から「髪色も相まって千秋みたいになってる」「話し方や声のトーンが違う」「役が抜けてないけど大丈夫?」みたいなコメントがありました(笑)。普段は声のトーンが高くなりがちなんですけど、原作を読んだ時に「これは違うな」と思って、作品に入る前から喋るトーンを意識していたので、それが自然と出るようになったんでしょうね。だから、そういうコメントが届いて、びっくりしましたけど、うれしかったですね。

――俳優業と音楽制作を並行して進めることもありますか。

NOA 今はできるんですが、以前やっていた役柄がアーティストのNOAとは違う部分が多すぎて、その時は難しかったですね。「きみ花(君の花になる)」(TBS系)で8LOOMをやっていた時でさえも曲が全く作れなかったんです。自分の中での切り替えがうまくいかなくて苦戦したんですよね。今は自分の中でなんとなくバランス感覚がつかめているのかもしれないです。とはいえ、事務所の先輩である星野源さんや福山雅治さんのように両立されている方はすごいなと思います。

――曲はどういうタイミングで作ることが多いですか。

NOA 曲作りは趣味でもあるので、仕事という意識よりも、「ゲームしたいな」みたいな感覚で作る時もあって、息抜きみたいになっている部分もあります。ホール・ツアー中も、「この曲はアレンジを変えたいな」「もう一回作り直したいな」とライブの反応を見て考えたりもするので、ファンの皆さんの力が僕のエネルギー源になっています。