それぞれの収録曲に込められた思い
ーー2曲目は「月が出た!」です。
浦 ”変化”をテーマにした楽曲です。夜、一人で家に帰るときをイメージして作りました。踏切の音が鳴って立ち止まったけど、電車はそこを駆け抜けていく。同じ音でも止まるのか、進むのか、置かれている状況によって捉え方が変わるし、決別することがあっても見方を変えれば一人でやっていく機会でもある、そんなことを考えながら作りました。
ーー感嘆符がタイトルにも歌詞にも入っているのも印象的でした。
浦 過去の自分の歌詞と比較すると、明るい世界を描くようになってきたと感じるのですが、それに伴って感嘆符を使うことが増えました。明るい気持ちが出ていると思っています。
ーー3曲目は「幽霊まぼろし」。2025年7月にシングルとしてリリースされた楽曲ですが、反響はいかがですか?
浦 サンデメの音楽を聴いてくださる方々の層が広くなってきていて、特に10代の方に届いている印象があります。ライブでも人気曲になっていて、いつも盛り上がっています。歌詞は少し暗い部分がありますが、サウンドはストレートなロックに仕上がっているので、しっかり届いているのかなと思います。
ーー4曲目は「ハッピーバースデイ」。こちらも先行配信されていた楽曲ですが、いかがでしょうか?
浦 明るいだけじゃないバースデーソングがあってもいいなと思っていて、自分の誕生日を素直に喜べなくても、大事な人の誕生日を心から喜べればと思って作りました。サウンド面では、しっかりとアレンジを入れていて、ベースラインだったり、ギターのアルペジオだったり、新しいことを取り入れながら、サンデメの方向性を示しています。
ーー5曲目は「目黒シネマロマンス」。
浦 目黒シネマに行った時に出てきた曲なのでタイトルにつけさせていただきました。目黒シネマで「下妻物語」のリバイバル上映を観た後、イメージを膨らませていきました。映画を観た後に、感想を言い合う時間が楽しいなって思っていて。映画だけでなく、本を読んだり、新しいことを体験して世界が広がっている時に、人と関わるのはいいなと思っています。
ーーサウンド面だとトランペットがとても印象的です。どういった意図から入れたのでしょうか?
浦 映画館ではいろんな音が鳴っていて、映画館が持つ豪華さやポップさを出したいと思って、トランペットとピアノを入れました。
ーー心地良いメロディに華やかさが乗っていますね。あとは歌詞に感嘆符が入っています。
浦 感嘆符がついてますね(笑)。明るさが出ていますね。
ーー6曲目は「ひとり・ゆくえ」。こちらはどんな楽曲でしょうか。
浦 プレイしていたゲームから着想を得た楽曲です。主人公が自分の世界に閉じこもっている作品なのですが、プレイしていると主人公の心にすごく入り込んでしまって。ゲームのストーリーをなぞっている曲ではありませんが、主人公はこう思っていたのかなと想像しながら書きました。本でも映画でもゲームでも、作品に刺激を受けると、曲を書きたくなることが多いです。
ーーサウンド面で意識されたことはありますか?
浦 ギターのみやはらに自由に作ってもらいました。歌詞の世界観に合わせて重苦しい感じも出しつつ、でも救われる感じが欲しくて、その辺を意識して表現してもらいました。
ーー7曲目は「フロム・ヘル」。若さや勢いを感じるロックンロールですが、こちらはいかがでしょうか?
浦 コロナ禍に過ごした学生時代のことを思い出して作った曲です。学生時代、何かあると頭の中がわーってなることもあって。遊びたいのに部屋にいるしかなかった時に感じた気持ちを表現しています。あとは、自分がいろんなことを怖がりすぎていることは分かっているけど、怖がるのをやめられない。自分で自分を檻に閉じ込めて、自らその場所を地獄にしてしまっていることを歌っています。
ーー2021年にリリースした「春」につながっている楽曲とも伺いました。
浦 そうですね。「春」では助けてくれる人もたくさんいたけど、助けてくれる手を振り払ってしまう時期があったことを振り返っていますが、「春」との繋がりも含めて聴いていただけると嬉しいです。
ーー浦さんの歌唱も印象的でした。感情を爆発させているというか。
浦 レコーディングでは猛獣のように歌うことを意識しました。アウトロでどんどん加速していきながら終わる感じもどうしてもやりたくて。全部どうでもよくなって、やぶれかぶれになっている気持ちを表現しています。
