身の回りの人たちからのフィードバックもアレンジに生きている

――アルバム『PERFECTLY DEFECTiVE』の前半を飾る新曲4曲について、それぞれライブでやった感想をお聞かせください。まずは「DiRTY NASTY」。

Novel Core 1曲目のOvertureからつながって歌い出す曲ですが、ライブでもアルバムの流れは大事にしたくて。Overtureのイントロ部分を僕がいじってSEみたいなものを追加して、そこの雰囲気を作った上で1曲目に入れました。ライブでやってみた体感も非常に良かったですね。普段の僕のスタイルは、イントロから「よっしゃー!お前らやれるのか!」みたいなバイブスでお客さんを持っていくことが多いんですけど、気合が入っているときって、あえて何もしゃべりたくないということもあって。ただステージに立っているだけでパワーがあるみたいなものをやりたいときに、「DiRTY NASTY」はいい出囃子になるんです。

――「ビリビリ」はいかがでしたか。

Novel Core この曲を作っている最中から、JESSE (RIZE / The BONEZ)さんのアドバイスもあって、ライブを特に意識しながら作ったんです。ライブではギターのイントロを少し伸ばして、サビで使うコール&レスポンスを頭にやって曲に入るというのは、作っている最中からイメージしていたことで、それを実際に試してみました。ただ、僕が「B-I-L-I! B-I-L-I!」って呼びかけると、みんなも「B-I-L-I! B-I-L-I!」って返してきてしまうという予想外の発見があって。そりゃそうかとも思ったんですが、ここは声を大にして言いたいんですが、本来は「ビリビリ shock in your head ビリビリビリ」と続きを言ってほしかったんです(笑)。そのわちゃわちゃ感も含めて楽しかったんですが、How to Chanto的なところをもっと突き詰めていい曲だなと思っています。曲は自由に楽しんでほしいし、あんまりルールめいた感じで固めたくはないんですけど、「ビリビリ」はボーカロイドの曲からインスピレーションを受けて作っているので、いわゆるナードなコール、オタクの方々がペンライトを持ちながらコールするときぐらいピタッとみんなが揃っているパートがあった方が、ライブのパフォーマンスとしてかっこいい気もしていて。ツアー全体としての課題曲というか、ツアーファイナルの豊洲PITの時(6月26日)に、どれぐらいみんながバチッとハマるかによって見え方が変わるんじゃないかなと、楽しみにしている1曲です。

――「あやとりコンテニュー」について。

Novel Core 最近出した曲の中でもトップクラスで気に入っているので、やっていて本当に楽しかったです。純粋に作編曲がうまくいったなと思っていて、ごちゃごちゃして聴こえるんですけど、実際はそんなに鳴っているものは多くなくて、スッキリと作れた曲なんです。それがライブでもサウンドとして出せる気がしていたし、実際にやってみて、お客さんの反応も良くて、アンケート結果でも「あやとりコンテニュー」がダントツの1位でした。過去の人気曲たちを抑えて、2位に倍以上の差をつけて1位になったんですよね。それって、すごくポジティブなことだと思うし、このツアーでもっともっと育つ、「ビリビリ」に並ぶ課題曲だと思っています。How to Chantoでも、前回のツアーがサークルピットという新しい遊び方をみんなに教えられたとしたら、今回はある種のモッシュであるツーステップを教えたいなと思っていて。実際に「あやとりコンテニュー」でレクチャーしたんですが、ギューギューのライブハウスでやるのは至難の業で、それはみんなも気づいていたと思います(笑)。ただ他のバンドのライブでも、スカとかツーステップとかジタバタする系のステップって、みんな実際はうまく踏めていないと思うんですよ。でも、それで良くて、それぞれのやり方で躍動するフロアの景色を僕は作りたい。乗り方が一辺倒になるとみんなも楽しくないと思うし、いろんな乗り方をしてほしいし、踊ってほしい。だからこそいろんな新曲を作っているので、「あやとりコンテニュー」でみんなが自分なりのステップを見つけられるといいなと思っています。初日を終えてバンドメンバーと話していたのは、ステップを踏ませるのもいいけど、公演によっては、例えばハウスやEDMのフェスでやるようなレフト・ライトのステップ、ああいうのも楽しいんじゃないかと。それだったら初めての人でも「あっ、ここでこっちに行くのか」と分かりやすいので、試してみたいと思っています。

――「お金が足りない」はどうやってライブで再現するのか特に楽しみな曲でした。

Novel Core めちゃめちゃアレンジを頑張りました。シーケンスだけのDJスタイルでやっても盛り上がるヒップホップチューンの側面もあるけど、「SHIKATO!!!」ほどヒップホップだけには寄っていない。生のサウンドで、ドラムがブレイクコアっぽいひずみまくったスネアとキックとハイハットがぷしゃーとなったパートがあったり、チョップしたギターがずっと鳴っていたり、バンドサウンドとヒップホップ的なシーケンスの融合みたいな曲なので、どちらでもできてしまう曲なんです。だったらバンドでやるときは、思いっきりバンドサウンドでアレンジしたいよねという話になって。当初、バースは演奏せずにサビだけ演奏するぐらいでいいんじゃないかという案もあったんですが、結果的にフルでバンド演奏してアレンジしようという話になって、Hibikiが率先してドラムのフックの決めを考えてくれたんです。特にラストのサビで、マネーカウンターがお金を数えるFXが途中に入るんですが、それをまさかのHibikiが全拾いで作ってきて。とんでもないフレーズを持ってきたので、「えっ、そこ拾うの!?」みたいな(笑)。それがきっかけでみんなのテンションも上がって、スタジオでギターのフレーズとかもいろいろ精査していくうちに楽しいアレンジになりました。今回のアルバムの中でも、バンドアレンジとして一番うまくいっているのが「お金が足りない」なんじゃないかなと初日に思いましたね。後で映像を観ても、文句なしのレベルでかっこよかったし、細かく詰めるところはありますが、あとはお客さんの乗せ方だけブラッシュアップすれば、より進化するなと。

――コール&レスポンスも最高でした。

Novel Core もともとはみんなに「お金が足りない」のパートを歌わせようと思っていたんですが、地方のフェスでやったときに「足りねー!」の方をみんなが歌ってくれるということに気づいて。3月にKOTA君と二人で岡山の「EIGHT BALL FESTIVAL 2026」に出たとき、「お金が足りない」をやったんですが、盛り上がってはいるけど、もっといけそうだなという感覚があって。帰りの新幹線の中でマネージャーのツッチーさんからも、「サビのコール&レスポンスはもう少しブラッシュアップできそうですよね」という話があって、「やっぱそうですよね」と。それでイントロを以前よりも少し伸ばして、シーケンスが流れているイントロ部分に「足りねー!」という声をちゃんと入れて、「ここを歌うんだ」と認識させるように作り替えたんです。そしたら初日からみんなが超歌ってくれていて、身の回りの人たちからのフィードバックもアレンジに生きています。

――記念撮影の間に流れていた「2025.11.07 (demo)」に乗せて、OUTERが大合唱したのも感動的でしたし、それを見るCoreさんの表情も感慨深く見えました。

Novel Core あれは僕もびっくりしました。まだ歌詞が入っていない、ある意味で未完成な曲なので、今のところライブで披露することは考えていないんです。その代わりに、ライブ終演後の余韻を楽しんでもらう時間に1月のホール公演から使っています。そのときは曲が流れている間に、僕たちがフロアを駆け回ったりしていたんですが、まさか今回みんなが大合唱し始めるとは思っていなくて。歌詞のない歌を大合唱するというよく分からない状態(笑)。みんなが手をゆっくり振っている景色を見ていたら、不思議とLIQUIDROOMのフロアなのに、東京ドームの景色が鮮明に想像できて、「こういうスケール感だよね」と思いました。フロアの雰囲気の良さを象徴するような3分間でしたね。

――大合唱に導かれて予定外のアンコールも披露しました。

Novel Core リハーサルもアンコールなしで行っているので、PAチームも照明チームも、僕たちバンドサイドも何の用意もしていなかったんです。その方が今の僕たちに合っていると思うので、今後もそういうスタイルでやっていこうかなと思っています。

――なぜ事前にアンコールを予定していなかったのでしょうか。

Novel Core 正直、アンコールが予定調和で決まっているライブって、観ている側としてあまりテンションが上がらないというか。いい気持ちでライブが終わったのに、明かりが点ききらずにアンコールがあるんだと分かって、しばらくしてグッズのTシャツを着たメンバーが出てきて何かしゃべった後、謎に2,3曲歌って帰るみたいな、あの流れがあんまり好きじゃなくて(笑)。絶対、本編の締めで終わった方が、次のライブにも来てもらえるし、演者のエゴでしかないという気がしているんですよね。今回のセットリストも1時間40分で完成しているという意識で作っているので、それをフルで楽しんでもらって、その気持ちのままで帰路についてもらいたい。だから、できる限りはアンコールをやらない方向です。

――次回のツアーは5月29日の札幌 PENNY LANE24になります。

Novel Core 5月に出演する「VIVA LA ROCK 2026」や「METROCK 2026」で観てくれた人たちも含めて、何かしら僕たちに興味を持ってくれたら、ぜひ札幌からジョインしてほしいです。この1ヶ月の間で、僕たちがツアーに対してどれだけ真剣に向き合ったかが問われる公演になると思いますし、「2回目の初日」みたいな感覚もあります。地方を回り始めて、やっとツアーが動き出したという感覚にもなるので、そういう意味でもエモーショナルなものがどこかに発生すると思います。PENNY LANE24は過去のツアー初日でも、何度もやってきた会場なので、いろんなドラマがありますし、僕たちも札幌に戻れるのを楽しみにしています。あとPENNY LANE24はLIQUIDROOMよりもステージの位置が高くて、僕の足元にみんなの顔がある状態になるので、ステップを踏んだ時に蹴飛ばさないように気をつけます(笑)。

Novel Core

東京都出身、25歳。ラッパー、シンガーソングライター。SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有しながらも、等身大の言葉で紡ぐ飾らない表現力とパワフルなライブパフォーマンスが話題を呼び、幅広い世代から強い支持を集める。ヒップホップとロックを軸に、様々なサブカルチャーを融合させた独自のミクスチャーサウンドは、ジャンルに縛られない自由な表現として高い評価を獲得。これまでに発表した全てのアルバム作品が主要チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものとしてきた。2024年1月、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、翌2025年2月には自身初となるアリーナ単独公演を決行。大型公演に限らず、全国各地のライブハウスを巡るツアーも精力的に展開し、圧倒的なライブ力と真摯な姿勢でファンダムとの強い信頼を築いている。また、ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザインに至るまで、全てのクリエイティブにおいて一貫してNovel Core自身がディレクションを担っており、その鋭い感性は音楽シーンの枠を超えて高く評価されている。FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルにも起用されるなど、ファッション業界からの注目も高く、アーティストとしての表現領域をさらに広げている。音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代ミクスチャーアーティスト。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI