根本宗子さんは演劇業界が抱えている課題を着実に乗り越えていらっしゃる
――なぜ田村さんは、共演に清水さんを推したのでしょうか。
田村 もともと好きな女優さんですから、新しいことを一緒にやりたかったですし、私が演じる“かな”を初演で演じたのがチャラン・ポ・ランタンのももさんで、エネルギッシュでフレッシュ、とても面白くて魅力的な演技だったんです。私自身、お芝居はもちろん私生活でもエネルギーが有り余っていて、必要以上に動き回るタイプなので、演じるならかなだろうと。くるみんは私とは真逆のタイプなんですが、初演で根本さんが演じた“ゆう”は、かなと対になる役なので、ゆうをくるみんが演じると良いバランスになるんじゃないかと思って指名させていただきました。


――清水さんも根本さんとは何度もお仕事をしているんですよね。
清水 7、8年前に初めてご一緒させていただいて、そこから間は空いてしまったんですが、去年また一緒にやらせていただいて、今回が3度目です。私も根本さんが大好きなんです。
――根本さんはドラマの監督をはじめ、映像業界でも活躍されていますが、長年にわたって演劇界をリードする存在です。
田村 神様ですね。演劇に詳しくない方でも、演劇を楽しめるような扉を開いてくれていますから。なかなか演劇が外に広がっていかないのは、演劇業界の誰もが悩んでいるところ。演劇は閉ざされた空間の中で起こるエンタメですし、その輪をどうやって広げていくかは役者も裏方の方々も共通して抱えている課題です。その課題を根本さんは着実に乗り越えていらっしゃるように感じます。
――根本さんの演出はどんな印象ですか。
田村 根本さんの中に正解があるので、ロジカルで、ある意味ドライなんですけど、正確に演出してくれる印象です。
清水 私は根本さんの演出や作品ももちろん好きなんですけど、女の子としての憧れみたいなものがあって。根本さんは舞台に立っているときと普段では声のトーンが違うんです。舞台上でのハイトーンの声も魅力的なんですが、普段話すときのワードセンスも素敵ですし、仕草もかわいいんですよね。7、8年前にご一緒したときから、いつの間にか根本さんの仕草が自分に染み込んできてるなと感じるくらい影響を受けています。根本さんの作品は根本さん自身がやると一番しっくりくるんですが、ご一緒したときに根本さんが私の役を演じてくださって、「なるほど。これが一番いい」と役を落とし込んでいきました。去年、久しぶりに根本さんの作品に参加したら、観に来た方に「ちゃんと根本さんの世界に入れていたね」と言っていただいてうれしかったです。


――かなとゆうはどんなキャラクターですか。
田村 かなは奇想天外で突飛なことをするというか。ゆうが優等生だとしたら、かなは勉強嫌いで、周りに迷惑をかけてしまうようなこともある女の子。私自身、子どもの頃はお騒がせで、母親を手こずらせていた子どもだったので自分を投影しやすいです。
清水 かなが天真爛漫で元気いっぱいなのに対して、ゆうはどちらかというと動くよりも先に頭で考えるタイプと、真逆なんですよね。今回はWキャストで、初演と同じくかなをももさん、ゆうを根本さんが演じますが、4人それぞれのキャラクターと役が似ているんですよ。私も映像で初演の舞台を観たときに、めいめいがかなを演じるのは鮮明にイメージできましたし、私は根本さんの演じたゆうだなというのは自分でも納得がいきました。
