自分が載っていない『Popteen』を見て、卒業を自覚
――高校生の時点で、芸能の道に進む意思は固まっていましたか?
莉子 そうですね。高校3年間はありがたいことに一番忙しい時期であったので、大学に行ったら芸能活動を優先して頑張りたいと考えるようになりました。結果、大学受験には落ちてしまいましたが……。その時の気持ちも、今回のフォトエッセイで初めて書かせていただきました。
――お芝居が楽しいと思うようになったのはいつ頃ですか?
莉子 『小説の神様 君としか描けない物語』という映画に出て、思うようにお芝居ができない悔しさから、「もっともっとお芝居をしたい」と思うようになりました。高校2年生の頃です。
――その頃には『Popteen』の卒業を考えていましたか?
莉子 『Popteen』に入った時点で、「ティーンでいられる高校生で区切りをつけよう」という漠然とした意識があったので、高校3年生になり後輩が増えたタイミングで、卒業して変わろうと思うようになりました。
――卒業してからロスを感じました?
莉子 ありました!月末から次の月の上旬にかけて毎月撮影していたのにそれがなくなり、スケジュールからも「Popteen撮影」という文字が消えて、「本当に卒業したんだ」と不思議な気持ちになりました。
――卒業後の『Popteen』は見ましたか?
莉子 もちろん見ました。卒業した実感をリアルに感じたのは、自分がまったく載っていない『Popteen』を見た時かもしれないです。
――卒業してからファッションやヘアメイクに変化はありましたか?
莉子 専属モデル時代も縛りがあったわけではないのですが、セルフプロデュースの意味もあり、『Popteen』時代はカジュアルな服装を着ることが多かったんです。卒業後は一気にいろんなジャンルの服を着るようになりました。
――卒業してからはお芝居を中心に活躍されています。
莉子 『Popteen』は安心する実家みたいな場所で、卒業後は一人暮らしをするみたいな感覚でした。「不安だけど、卒業を決めたのは自分だから」という複雑な気持ちでしたが、徐々にお芝居のお仕事をいただけるようになり、気持ちが安定してきました。今は「後輩に託してよかったな」と心の底から思えます。
――新年度が始まりましたが、新しくチャレンジしてみたいことはありますか?
莉子 せっかく車の免許を取ったのに運転する頻度が少ないので、増やしたいですね。高校時代の友達とテーマパークに行ったり遠出をして遊んだりしたいのですが、進学や就職などみんなの進路がバラバラで休みの予定が合わない現象が起きています。早めにスケジュールを調整して高校時代のように遊ぶ時間を作らないと。
――お仕事はいかがですか?
莉子 最近はお芝居をやらせていただく機会が増えているので、引き続き頑張っていきたいです。20歳に出すこのフォトエッセイを、新たなスタートの区切りにします。
――ちなみに成人式には参列されましたか?
莉子 成人式は出られなかったのですが、中学生の同窓会には参加しました。久しぶりに中学時代の男子に会ったらみんな身長が伸びていて驚きました。
――では最後に、進路について考えている読者に向けて、メッセージをお願いします。
莉子 自分のやりたいことを形にしていくと、楽しく過ごせると思います。親や先生からいろいろ言われることもあるけれど、自分の意思を声に出して、周りに伝えて、主体性を持って頑張れば道は切り拓けるはずです。
PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,STYLIST:MISAKI TAKAHASHI,衣装提供 ブラウス、スカート、ジャケット(COEL)/ブーツ (ALM.)/イヤリング、リング(yurika akutsu)