モデルの仕事と違う体験は、モデルとしての表現力にも活きている

――ここからは、久間田さん個人のお仕事についてお伺いできればと思います。去年から『non-no』の専属モデルになられましたが、意識の変化などはありましたか?

久間田 年齢を重ねて節目を迎えるたびに、関わらせていただく雑誌が変わってきたのもあって、「大人のファッション雑誌に来た」という感覚が大きいです。読者のみなさんも同年代の方が多いですし。モデルの仕事はやりがいを感じます。1番好きな仕事でもあるので、読者の方に日々刺激をもらいながら、楽しく撮影に臨んでいます。

――モデルとしての活動が、演技に活きていると感じることはありますか?

久間田 モデルをしていて……というより、逆に“演技をすることが、モデル活動にも活きている”ほうが大きいんですよね。お芝居に取り組むようになってから、スチール撮影(※カメラで静止画を撮影すること)でカメラの前に立つと、「表現の幅が増えたね」とカメラマンさんから言ってもらえたり。出演する作品が増えるごとに、そういった機会も増えるので変化を実感します。

――最初はモデルとして芸能界デビューされていますが、お芝居を始められたのはいつ頃ですか?

久間田 初めてお芝居をしたのは約7年くらい前なのですが、2~3年くらい前の「マリーミー!」(※LINEマンガで連載されていた同名のコミックを原作としたテレビドラマ)という作品に出演させていただいたのをきっかけに、もっとお芝居を続けたいと強く思うようになりました。

――「マリーミー!」で、どんなきっかけがあったのですか?

久間田 今思い返しても当時は大変だったし、しんどかったんです。まだ撮影現場の雰囲気も分からなかったですし、そもそも「自分と違うキャラクターを演じる」こと自体、よく理解できないままスタートしてしまって。でも、放送されてからいただいたみなさんの声や、撮影が終わったあとの達成感など、モデルのお仕事とはまた違う経験ができたのが刺激的で、「もっとこの世界のことを知りたいな」と思うようになりました。撮影を終えるたびに色々学ぶこともあったので、今はもう楽しい気持ちで、当時とは全然違う面持ちで、撮影現場にいられるようになりました。

――モデルと俳優の切り替えが必要な時もあると思いますが、切り替えは得意なほうですか?

久間田 あまり得意じゃなかったんですけど、最近は切り替えようという意識を持つようにしています。ただ、映画やドラマに出演すると、作品の仕上がりや、観てくださる方の反応に対する不安とプレッシャーはやっぱりあって。放送や上映が終わるまではドキドキしっぱなしです。正直、出来上がった今回の映画も客観視できなかったです。「あのシーン大丈夫かな……」とか、そういうことばっかり考えちゃって(笑)。

――作品が上映されることに対する緊張感を持たれているとのことですが、実際の撮影現場でも同じように緊張感があったのでしょうか?

久間田 撮影現場に対する不安はなく、むしろこの作品特有のテンポ感みたいなものにもすぐになじめました。リハーサルを通じて、みなさんで作っていった感覚もすごく強くて。誰かがアドリブを言っても大丈夫なくらい、信頼し合える関係性になれていたと思います。

――今後、出演してみたい作品のジャンルや、チャレンジしてみたい役などがあれば教えてください。

久間田 今回はコメディ作品に初挑戦ということで、不安もありましたけど、最後には楽しく撮影を終われて、コメディの面白さを知ることができました。なので今後もコメディ作品に、もっと出演していきたいなと思います。

――最後に、若い世代の読者に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

久間田 「自分の好きなことは何だろう?」と考えた時に、1つだけじゃなくて、たくさん挙げることがまず大事かなと思っています。好きなことに関われる仕事って、実は自分が知っているより、もっといっぱいあったりするじゃないですか。だからこそ、いろんなことに興味を持って、視野を広げていくことが大事だと思います。

Information

映画『おとななじみ』
5月12日(金)公開

キャスト:
井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、久間田琳加、荻原利久、浅川梨奈、岡本夏美、菊池亜希子、宍戸美和公、横澤夏子、村上健志(フルーツポンチ)、アン ミカ、松金よね子

幼いころから隣同士に住んでいた幼なじみ、青山春(ハル/井上瑞稀)と加賀谷楓(久間田琳加)は、24歳になり、お互い一人暮らしを始めたあとも、同じアパートの隣部屋で暮らしている。楓はずっと一途にハルを想い続けているが、ハルが楓の気持ちに気付く素振りは全くない。それどころか、だらしないハルの世話をつい焼いてしまう楓は、もはやハルの“オカン”と化していた。ある日、進展しない関係についに我慢の限界を迎えた楓は、幼なじみの伊織(萩原利久)と美桜(浅川梨奈)にハルを諦めると宣言するも、どうにも諦めきれない。そんな楓に、幼なじみとしてだけでなく、大人の男としても優しく接する伊織。実は小学生の頃から楓が好きだったという告白をきっかけに、楓と伊織の関係は急接近する。その様子を目の当たりにし、ようやく自分の本心に気付き始めたハル。しかし、楓に素直になることができないまま、美桜に心の内と、今は亡き楓の母と交わした“約束”について相談する。

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久間田琳加

2001年2月23日生まれ。東京都出身。ファッション雑誌『non-no』の専属モデルを務めるほか、俳優としてドラマや映画にも出演し、活躍の幅を広げている。主な出演作は、テレビドラマ「マリーミー!」(20)、「青春シンデレラ」(22)、「ブラザー・トラップ」(23)/映画『ヌヌ子の聖★戦〜harajuku story〜』(18)、『おとななじみ』(23)など。

PHOTOGRAPHER:YU TOMONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:MIEN(Lila),STYLIST:TORIYAM ETSUYO(One8tokyo)