プロのピアニストとして日々成長し続けていかないといけない | けいちゃん 「乗り越えなきゃいけない状況も楽しんでいきたい」 INTERVIEW

プロのピアニストとして日々成長し続けていかないといけない

――現在公開中の映画『美男ペコパンと悪魔』に主題歌「シンフォニア」を提供していますが、本作を観た感想はいかがでしたか。

けいちゃん　二軸で話が進んでいくんですが、交差する物語が面白いなと。また愛というものの偉大さ、愛の持つ本当の力みたいなものを物語の最後で知ることができて、深い映画だなと思いました。戦闘シーンもあるんですが、僕はアクション系の映画も好きだし、不思議な世界観も好きだったので、夢中で観ましたね。

――今回のようにオファーを受けて曲を作るのはいかがでしたか。

けいちゃん　映画の世界観や内容に沿って曲を作るのは初めてだったので、すごく刺激をもらいました。「疾走感と幻想的な雰囲気がほしい」ということだったので、あまり詞は具体的にし過ぎないようにして、あえてパッと聴いただけでは伝わりにくい言葉を幾つか使って、言葉の深みを出すことを意識しました。もともと作詞では遠まわしな言い方をするタイプなので、従来の作り方に映画のイメージを当てはめたんです。

――もともと映画はお好きなんですか。

けいちゃん　好きですね。アクション系以外だと、サスペンスや、ちょっと怖い系の映画をよく観ます。

――怖い映画は平気なんですか？

けいちゃん　観るのは平気なんですけど、夜トイレに行けなくなります（笑）。作品で言うと、『ソウ』シリーズを全作観たんですけど、生々しくて、グロくはあるんですが、話は深くて。特に１作目は先の読めない展開に衝撃を受けました。

――これまで映画にインスパイアされて曲作りをしたことはあるのでしょうか。

けいちゃん　昨年12月に出したアルバム『聴十戯画』に収録した「人間失格」は、蜷川実花監督の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』（2019）に影響を受けて書いた曲です。

――今後も映像関係のお仕事はしてみたいですか？

けいちゃん　やりたいですね。アニメの主題歌だったり、映画の劇伴だったり、CM曲だったり、いろんな挑戦をしていきたいです。

――6月11日にピアノリサイタル「Rubato Circus」を開催しますが、どんな内容になるのでしょうか。

けいちゃん　プロのピアニストとしてやっていく上で、日々成長し続けていかないといけないと思っていて。今回のライブに関しては、その成長度合いを、いまだかつてないぐらいに見せられたらいいなと思って、たくさん練習しています。さらに磨きのかかったピアノをお届けしたいですね。

――今でも練習すると、自分で成長を実感することはありますか。

けいちゃん　あります。それが楽しくてやってるところもあるぐらいで。まだまだ足りないところはいっぱいあるし、音楽はゴールがないので、成長したいと思えるところまで行けるから、無限に練習できますし、まだまだ成長段階です。

――壁にぶつかることもありましたか？

けいちゃん　人が壁と思うことを、壁と思わないところがあるらしくて。だからあまり壁というものを感じたことはないんです。乗り越えなきゃいけない状況みたいなのはありましたけど、それすらも楽しんでいきたいんですよね。

PHOTOGRAPHER：HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER：TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE：RIKA ITO