サッカーで学んだ人との距離感も演技の仕事に役立っている

――キャリアについても伺います。青春時代の思い出は?

玉城 中学時代はサッカー部に所属していて、ヤンチャな人たちも多い学校だったのでヤンキーの先輩に追いかけられていました(笑)。サッカー部に入ったのは、休み時間に遊んでいたサッカーが楽しかったからです。その後、高校でもサッカー部へ所属しましたね。そのために、受験勉強で必死に勉強したのもいい思い出です。

――サッカーをきっかけに、進路を選んだんですか?

玉城 地元ではそこそこ強豪と言われている高校に、サッカー部の仲間が行くと言ったから、僕もと思ったんです。でも、中学3年生の初めは、その高校へ行きたくとも模試の判定が最低クラスの「E」で、絶望的だったので受験までの期間は過去にないほど勉強しました。

――そして、無事に合格したと。高校時代は、ヤンキーの先輩に追われることもなく?

玉城 追われなくなって、めちゃくちゃ楽しかったです(笑)。サッカーと好きな子のために学校へ通って、授業中はほぼ居眠りしていましたね。

――当時の経験は、大人になった今も役立っていますか?

玉城 先輩後輩の人間関係は、生きていると思います。あと、サッカーに学んだことも多いです。パスワークが求められるサッカーではたがいの距離感が大切で、その考えは、他の俳優さんと共演する場面でも役立っています。

――玉城さんが俳優を目指したきっかけは?

玉城 中学時代、受験勉強の息抜きで母親と一緒に見た映画がきっかけだったと思います。見に行った回はたまたま、お客さんがいなくて映画館が貸し切り状態で、ストレスのない環境で見た作品に魅了されたんです。その作品に出ていた俳優さんの他の作品も見るようになり「たくさんの人生を味わえてうらやましい」と思って、この仕事に興味がわきました。当時は、将来の進路を人生で初めて意識した時期でもあったし、タイミングもよかったのかと思っています。

――今思う、俳優のやりがいは?

玉城 演技によって、新しい感情が芽生えるときに感じます。キャラクターは自分ではないけど、演じることで「自分にはこんな考えがあったのか」とか、「こういうスイッチがあるんだ」と気がつく瞬間があるし、楽しいです。

Information

映画『パラフィリア・サークル』
2023年6月23日(金)公開

出演者:⽟城裕規、川上将⼤、瀬⼾啓太、縣豪紀、園⽥あいか、鈴⽊聖奈、川村海乃、吹越ともみ、 和泉宗兵、中⼭峻、脇崎智史、佐⽵桃華、タカハシシンノスケ、⽥辺歩、⾼橋改、宮崎寿々佳、中村美緒莉、坂本澪⾹、咲⾕菜⽉、七瀬七名、藤崎朱⾹、和泉ゆり、相葉千春、滝⼭康平、⾺場莉乃、鈴⽊征爾、江藤正輝、イジリー岡⽥ (特別出演)、⼤浦⿓宇⼀、三浦浩⼀

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玉城裕規

1985年12月17日生まれ、沖縄県出身。Japan Anime Liveでの「NARUTO−ナルト−」サスケ役を務め、小説原作「少年ハリウッド」伊達竜之介役の出演で話題に。舞台、ドラマ、映画。『曇天に笑う』「魔界転生」「刀剣乱舞」「湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。」「修羅雪と八人の悪党」など、話題の舞台に続々出演。ドラマ「封刃師」「遺留捜査第7シリーズ」、映画「サクセス荘」「灰色の壁」「さよなら グッド・バイ」など映像界でも活躍を広げる。2023年1月にドラマ「罠の戦争」、3月に映画「刀剣乱舞〜黎明〜」、年内には映画「NOT BEER」へ出演。

PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:SYUHEI KANEKO