14人揃ったステージを降りても仕事があるパラレルキャリアアイドル

新宿西口、オフィスビルのど真ん中にある新宿ReNY。数多くの有名アーティストがライブを行うこの場所でファーストワンマンライブを行った+idolist(以下、アイドリスト)。2月としては暖かい昼ごろ、開場前からファンが列を作り待機する。開場後のフロアは今か今かと待ち侘びた独特の雰囲気に包まれる中、本ワンマンが初披露となる「運命オリジナリスト」からスタートした。

最初に登場したメンバーたちは緊張した面持ちだったが曲の中盤あたりから徐々に推しカラーのペンライトを振るファンにむけた笑顔が弾けてきた。緊張するのは無理もない。プロジェクトスタートから約10ヶ月での新宿ReNYという大舞台だ。オチサビを歌い上げたメンバーのはなは歌い終わりに決意と安心にも思える微笑みを向けた。

曲が終わり、ここでこの日の出演メンバー14名が全員ステージに登場。MCではメンバー全員の自己紹介を「ステージを降りている時の仕事」をベースに行う。「ステージを降りているときはシステムエンジニアの仕事をしています。使える言語はPHP、VBA…」とアイドリストならではのパラレルキャリアアイドルらしい挨拶が続く。

メンバーのゆづきはシステムエンジニアをしていることを紹介したがそれぞれ不動産営業、スタイリストなど自身の仕事を紹介していった。そしてワンマンライブの意気込みを語り、アイドリストの代表曲でもある「パラレルライフ」の説明と曲降りからメンバーがフォーメーションに入り再びフロアは盛り上がりをみせる。

ここからはMC無しで一気に3曲続けての構成。曲ごとにメンバーは入れ替わるが勢いが落ちることはない。

続く「プラスマイル」ではそれまでクラップのみで比較的おとなしい感じだったファンたちが一気に爆発。コールとMIXにより会場のボルテージがあがってきた。パンMIXを煽るメンバーに応え、声を張り上げるファンたち。自然と会場に一体感が生まれてきた。

続けて披露されたのは「インパクト」。ステージ後方のスクリーンには爽やかな夏の青空と歌詞が踊る。高校野球を思い起こさせる青春ラブソングだ。歌詞にある『君に届け好きだと』というフレーズと共にメンバーの指差しとレスが飛ぶ。ファンたちもペンライトを振り応える。アイドルもファンも共にライブの流れを掴んできた感じだ。

そしてここからMCを挟み、カバー曲のコーナーが始まる。

1曲目のカバー曲は「ファンサ」。バーチャルアイドル成海萌奈のヒット曲だ。曲中の『もっと!』というフレーズに合わせてファンたちも歌う。

2曲目は夢見るアドレセンスの「メロンソーダ」のカバー。メンバーはクラップを煽り、左右に踊る。オチサビではファンがペンライトを掲げキレイな空間が生まれた。

3曲目は『アナと雪の女王』の挿入歌の「とびらを開けて」。なんとここではメンバーの小日向穂乃花と芸人のミノルさんによるデュエット。アイドルライブでは珍しい男性とのコラボパフォーマンスにどよめきが起こるが、高らかに歌い上げる二人の声にいつしか聞き入っていた。ミノルさんはアイドリスト定期公演のMCをやっていることから今回はゲスト出演となったということで、ファンからも優しい眼差しが向けられていた。

MCでは歌を披露したメンバーによる感想をそれぞれつぶやく。改めて芸人のミノルさんがステージに登場。大きな拍手が起こる「2分くらいの曲なのにほんと10分くらい長く感じましたよ!」というミノルさんの言葉に驚きと笑いが起こる。