誰でも「変わろうと思えば変われる」と勇気を与える作品に

――前作「FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜」(2019年9〜10月)の上演から3年以上。再演決定への思いはいかがでしょうか?

柚希礼音(以下、柚希) 初演時は女性がメインの作品とあってか、鑑賞される方々が「どんな作品だろう?」と当初から期待していた感じではなかったんです。観に来てくださった方のクチコミで広がったようです。昔から活躍を見守ってくれている同級生の友達もこの作品が好きで、再演を伝えたら一番喜んでくれました。今も「FACTORY GIRLS〜」の劇中曲を歌ってくれたりしていて、それほど働く女性に突き刺さったのだろうと思います。もちろん、男性の方も気に入ってくださって……女性とはまた違う視点から、感動してくださったようです。

――2023年6月に東京と福岡、6月から7月初旬にかけて大阪で上演。本番に向けて、どのような準備をされていますか?

柚希 (インタビュー時点では)稽古がこれから始まるので、劇中曲の譜面を見直しています。ロックテイストの音楽がいいんですよ。舞台を鑑賞してくださった方々が「変わろうと思えば私はもっと変わっていけるし、自分に期待できる」と感じてもらえればと願っていますし、また「明日から頑張ろう」と思えるミュージカルになると思います。

――柚希さんが思う、作品の一番の魅力は何でしょうか?

柚希 演じる主人公のサラ・バグリーは、元からリーダータイプではなく、夢を見て田舎から出てきた先で現実を目の当たりにして、悩んだり苦しんだり反省したり、色々な葛藤を抱えながら「それでも自分のため、みんなのために立ち上がろう」と目覚めていく子なんです。だから、どんな人でも立ち上がれると思える作品だと考えていますし、鑑賞してくださった方々に「変わろうと思えば変われる。言おうと思えば言える人になれる」と、勇気を与える作品であることが最大の魅力だと思います。