引っ込み思案な性格の柊に共感、すんなり理解できる人物だった

――ドラマ「女子高生、僧になる。」は、畑芽育さん演じるアイドルヲタの女子高生と、奥野さん演じるイケメン僧侶の柊が、お寺相続を巡るトラブルに巻き込まれていく、今までになかったような設定のラブコメです。

奥野 ラブコメとは謳っていますが、ちょっとした恋愛要素もコメディに持って行っちゃうんですけどね(笑)。

――お経を読むのは大変だったんじゃないですか。

奥野 本職のお坊さんに教えていただいたんですが、お経を読んでいる姿を撮らせていただいて、それを見ながら練習しました。

――セリフのようには頭に入ってこないですよね。

奥野 仰る通り全く入ってこないので、音で覚えるしかなかったです。いつも台本を読むときは物語の全容をふわっと覚えて、こういう物語が進んでいくから、自分のセリフはこういうふうになると、ちゃんと意味があるから頭に入ってくるんですよね。もちろんお経にも深い意味はありますけど、文章じゃなくて漢字なので、すごく難しかったです。

――初めて脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。

奥野 まず、お坊さんとお寺を題材にしちゃうんだということに驚いて、センシティブというか、宗教的なものには触れちゃいけないイメージがあったので、ドラマにして大丈夫ですか?と思いました。あと所作や言葉遣いなど、いろんなところで自分のボロが出そうだなと不安になりました。でも実際に現場に入ってみたら、お坊さんたちがフランクに教えてくださるし、そんなに硬い雰囲気ではなかったので、ほっとしました。だから初めて脚本を読んだときに感じた不安は、すぐになくなりました。

――お寺の問題もふんだんに取り込まれていて、驚くことばかりでした。

奥野 副業をされながらお坊さんをやるとか、お寺が借金を抱えているとか、今回はコメディとして面白おかしく描かれていますけど、実際のお寺やお坊さんの深刻な現状を、ちょっとでも知る良い機会になるなと思いました。

――お寺で結婚式ができるのも初めて知りました。。

奥野 寺ウェディングは普通にあるそうです。普通のドレスでも大丈夫ですし、白無垢じゃなきゃ駄目みたいなルールはないそうです。

――柊は引っ込み思案な性格で、それが元で、いろいろなトラブルを引き寄せてしまいますが、共感する部分はありますか。

奥野 柊ほどオーバーではないですが、僕も人前に出ると緊張するし、人とのコミュニケーションも苦手なほうなので、気持ちはすごく分かるし、すんなり理解できる人物でした。