年代ごとのシーンもみどころの表題曲MV撮影秘話「今のHKT48を表している」

――2人がシングルWセンターを務める表題曲「バケツを被れ!」は、インパクトあるタイトルで、未来へと背中を押してくれる曲です。

石橋 タイトルのインパクトが強くて、ファンの方々はもちろん、グループを知らないみなさんの目にも止まるんじゃないかと思いました。人の心を支えてくれる楽曲ですし、歌詞の「バケツ」は色々な解釈ができます。最初、資料をいただいた時点で(作詞の)秋元(康)先生に感想を送ったときは、歌詞を深く理解できずに「人が落ち込んでいたら、バケツを被せてあげようと思います」と伝えたんですけど(笑)、今ではより深く歌詞を自分に落とし込めました。

竹本 タイトルは「どんな意味?」と思ったんですけど、歌詞をじっくり読んで、ダンスの振り入れをしたら「今のHKT48を表している」と感じるようになりました。最初のフレーズは「あんなに泣いてた 孤独な誰かが」で、今のHKT48も先輩方がたくさん卒業されて後輩の私たちも不安を抱えていますけど、サビで「どんな時でもバケツを被れ!」と勇気を与えてくれる歌詞に励まされました。失敗しても挑戦しないと始まらないのは私たちも同じで、(2011年11月のグループ初の劇場公演から)12周年で新たな一歩を踏み出せる楽曲になっていますし、今回新たに、後輩の6期生が5人も選抜メンバーになったので、フレッシュな曲になったかなと思います。

――先輩メンバーの卒業に思いを巡らせる中では、同じくシングル選抜メンバーで、2023年10月に卒業発表した3期生の田中美久さんのラストシングルです。

竹本 颯と私の後ろで美久さんが踊っていらっしゃる場面があるんですけど、安心して卒業できるように、カッコいい背中を見せたいと強く思っています。

――田中さんへの思いも募るMVでは、バケツを持ったパフォーマンスもみどころに。撮影はいかがでしたか?

石橋 小道具にあったファミコンが「どうしてもやりたい!」とスタッフさんにお願いしたんです。「貴重なので慎重に扱ってください」と言われたので緊張したんですけど、ゲーム画面がザラザラで、マリオが見えづらかったのが新鮮でした(笑)。

――18歳で、ドット絵ゲーム全盛の世代ではないですし(笑)。竹本さんは?

竹本 TikTokなどで有名なHoodie Fam(5人組ダンスクリエイター集団)さんの振り付けで、マネしやすいと思いました。パラパラのように年代ごとのダンスもあり、色々な世代の方々に知っていただけるきっかけになればと思います。

石橋 松田聖子さんのように、昭和アイドルの方々をモチーフにしたような振り付けもあって。普段のグループ楽曲よりもテンポが遅いダンスもあり、タイミングを揃えるのは難しかったです。でも、カットがかかるごとにHoodie Famのメンバーさんが「みんな、最高です!」と褒めてくださり、モチベーションも上がりました。

――MV撮影での苦労もあった本作を通して、竹本さんが言っていた「今のHKT48」を伝えられそうですか?

石橋 HKT48はメンバー個々を見れば見るほど、それぞれ違う色を持っているんです。推しの卒業でファンを辞めてしまう方もいるのは仕方ないと思いますけど、くるみんと初めてのシングルセンターを任せていただいたので、今回をきっかけに新たなファンの方々を増やしていけるように、SNSなども頑張っていきたいです。

竹本 今あるHKT48の魅力はメンバーが一番分かっているし、伝える自信もあります。初経験のシングルセンターで何をすればいいか、まだ、分からないこともたくさんですけど、選抜メンバーでセンター経験のある田中美久さん、ドラフト2期生の松岡はなさんに、今回のシングルの活動で教わっていきたいです。