正反対ながらも支え合う2人。「後先考えずに突っ走る」石橋と「先を考えてから走り出す」竹本
――ここからは、キャリアを振り返っていただきます。HKT48の5期生は、2018年11月26日の劇場デビューから6年目に。当初、2人は中学生でしたが、グループ加入前の生活は?
石橋 小学校では6年生で応援団長もやっていて、昔から人前に立つのが好きでした。でも、アイドルに憧れた経験はなかったです。オーディション受検のきっかけは姉で、HKT48の4期生オーディションに応募してくれたんです。当時は10歳で、最終審査まで進んだんですけど不合格になり、人生で初めての挫折を味わって。「悔しい…。絶対、HKTに入る!」という思いを抱えたまま、13歳で5期生のオーディションを受けました。
竹本 私は、母の影響で大のアイドル好きでした。HKT48を初めて見たのは7歳で、西武ドーム(2011年11月開催「AKB48祭り powerd by AKB48 ネ申テレビ」)でのお披露目です。卒業した矢吹奈子さんの大ファンになり「AKB48選抜総選挙」も応援し続けて、12歳で初めてオーディションに参加したんですけど、書類審査で不合格になり「こんなにも難しいのか…」と絶望しました。どうしても「48に入って48の曲を歌いたい」と思っていたけど、10回以上も書類審査に落ちて…。あきらめかけたグループで今、活動できてよかったです。
――石橋さんは加入前から「人前に立つのが好き」だったと言っていましたが、竹本さんの学校生活は?
竹本 颯とは真反対で、控えめでした。でも、自分が本領発揮できると思う場面では違ったかもしれません。得意なトランペットやバレエでは率先して一番手を担ったり、輝けるところでは輝きたかったし、今の活動も合ってるなと思います。
――17thシングルではWセンターの2人ですが、すべてが正反対な印象ですね。
石橋 そうかもしれません。私は後先考えずに突っ走るタイプで、くるちゃんはちゃんと先を考えてから走り出すタイプなんです。突っ走り過ぎそうになったら、くるちゃんが止めてくれますし(笑)。
竹本 逆に、考え過ぎて踏み出せないときには、颯が引っ張ってくれるから「私も行かなきゃ」と思えるので。デコボコな2人ですけど、上手く高め合えているのかなと思います。
――これまでに助け合った経験もありそうです。
竹本 同期の卒業で不安を抱えたとき、今も残る同期と共におたがいの希望として「一生懸命頑張ろう」と思いを確かめ合いました。
石橋 加入するまでダンス経験がなかった私に、熱心に教えてくれたのがくるちゃんでした。言葉選びが苦手で、アイドルを応援してこなかったのでライブでの言葉が上手く出てこないときも、くるちゃんがアイデアをくれたんです。でも、すごく助けられているんですけど、普段は言葉で感謝を伝えることがなくて。
竹本 インタビューで「おたがいのよさを語ってください」みたいに言われると、恥ずかしい(笑)。研究生からチームKIVに初昇格(2021年3月。石橋は2022年10月にチームHへ異動)してから、先輩に負けないように頑張ろうとして、絆が芽生えたのかなと思います。
――助け合い、支え合う2人のそれぞれの目標も伺えれば。
竹本 メンバーの中身を知って好きになってくれる方もいると思いますし、加入前に楽しんでいたレギュラー番組『HKT48のおでかけ!』のように、私たちの魅力を伝える場を作っていきたいです。
石橋 くるちゃんとも話したんですけど、大きなステージにも立ちたいです。先輩方の卒業コンサートで立った経験はありますけど、通常の単独公演では会場の規模が小さく、ファンの方々をもっと大きなステージに連れていきたい思いもあって。広い会場で走り回りたいし、トロッコにも乗ってみたいです。
竹本 目指したいのは、私が初めてHKT48の単独公演(2015年6月開催「HKT48全国ツアー~全国統一終わっとらんけん~」ファイナル公演)を見た横浜アリーナです。ステージ上では“恐竜”も登場して、恐竜に食べられるメンバーもいて、「このグループはなんてライブが楽しいんだ!」と思いました。
石橋 福岡PayPayドームにも立ってみたい。劇場の真ん前にあるはずなのに、遠い存在なので。ドームに立てたら何でもできると思うし、目標は高く、突き進んでいきます!
PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:SYUHEI KANEKO