Wキャストでも僕と田代万里生さんとではタイプが全然違うのが面白い

――Wキャストのときは、どんなことを意識していますか。

森崎 万里生さんと僕ではタイプが全然違っていて、そこは観る人の好みも大きいとは思いますが、タイプが違う二人というのがWキャストの醍醐味かなと思います。だから特に意識することはないんですが、一緒に稽古をしていると、同じシーンでも、「万里生さんはこうやってアプローチするんだ」という発見があって、それによって自然と僕自身の演技にも影響しますし、そうやって変化していくのも楽しいですね。

――田代さんは幼少期から音楽に携わり、15歳から声楽を志して、東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業後、たくさんのミュージカルに出演していますが、音楽的なアドバイスをいただくこともあるんですか?

森崎 もちろんです!万里生さんは楽譜もパッと読めますし、歌も教えてもらっていて、頼りっぱなしですね。お芝居以外のところでも、たとえば最近は舞台の資料をiPadに入れて稽古中も携帯しているんですが、万里生さんにおすすめのアプリも教えてもらいました。いろんなことを万里生さんに教えてもらいながら自分の中に取り入れて、日々勉強という感覚ですね。せっかく、こんなに素晴らしい座組でやらせていただいているんだから、盗めるものは全て盗んでやろうと思っています(笑)。

――ジェン役の新妻さん、濱田さんの印象はいかがですか。

森崎 ずっとトップの位置を走っている方々で、ご一緒できるのは光栄ですが、お二方とも豊富なキャリアを積んでいらっしゃるので、何をするにも早いなという印象です。それぞれの印象で言うと、新妻さんは外国に住んでいた経験があるので、感情を前面に提示するタイプで、めちゃくちゃパワーがあるんですよね。それとは対照的に、濱田さんは経験に裏打ちされた自信と余裕があって、すごく人間味があって面白い方です。いつか濱田さんが普通のおばちゃん役を演じる日本映画で、ボソボソと喋るような演技で共演してみたいですね(笑)。お二人もシーンのアプローチが全く違うので、共演していて本当に楽しいです。

――4人で一緒に稽古することもあるんですか。

森崎 あります。まず、みんなで共通認識を作ってから、各ペアで分かれて稽古して、途中でペアを入れ替えるという風に進めていきました。

――2人ミュージカルで4パターンの組み合わせがあるのも面白いですよね。

森崎 日本でも2人ミュージカルは珍しくないらしいんですけど、僕は知らなかったので新鮮でしたし、ハマったらとても面白いと思うんですよね。その絵を想像しながら稽古を重ねていきました。