徳川家定は大切な人に対して愛情深い、とても器の大きい人

――もともと、大奥ものの作品に興味はありましたか?

愛希れいか(以下、愛希) 大奥を題材にしたドラマや映画は昔から人気ですし、私も好きで観ていました。よしながふみ先生の『大奥』も、「大奥 Season2」の出演が決まってから、全巻読ませていただきました。

――原作にはどんな印象をお持ちですか。

愛希 とにかく苦しくて悲しいというのが率直な感想なんですけど、その中に強く生きた人たちの生きざまが、前向きなメッセージとして届く作品だなと。またジェンダーを超えた愛が描かれたり、女性が政権を握ったりと、今の時代だからこそ、より受け入れられる題材なので身近に感じられました。だからこそ連載が終了して時間が経っている今も人気があるんだなと。

――「大奥 Season2」の出演が決まったときは、どんなお気持ちでしたか。

愛希 舞台を中心に活動させてもらっているので、映像に挑戦させていただけることが光栄でしたし、全力で頑張らなきゃいけないなと思いました。また、原作ものをやるときって、原作ファンの方もいらっしゃいますし、とてもプレッシャーを感じるんです。「大奥 Season1」を観たときは、原作とのギャップを全く感じなかったですし、演じる方々の個性も相まって、リアルで素敵だなと思いました。だからこそ自分が徳川家定を演じるんだと考えると、プレッシャーも大きかったです。

――役作りでは、どんなことを意識したのでしょうか。

愛希 コミックに出て来るキャラクターを真似るだけではなく、ちゃんとその時代に生きていた人としてリアリティがないといけない。でも、実際の自分と徳川家定との間にギャップを感じましたし、そこのすり合わせには悩みました。ただ監督が、「愛希さんが演じる家定でいいよ」「家定とかけ離れていたら、こちらも言うので、恐れずに演じてほしい」と言ってくださって、心が軽くなりました。

――舞台もコミックが原作の舞台が多いですけど、映像とはまた演じ方も違いますか。

愛希 違いますね。舞台だと厚化粧などで作り込める部分もたくさんあるんです。でも映像だと、お着物やカツラの力を借りるとはいえ、素の自分で勝負する部分も大きいので、そこは難しかったです。

――家定というキャラクターには、どんな印象を抱きましたか。

愛希 複雑な過去を抱えているので、将軍としての強さとは違う、いろいろなことを受け入れる強さを持った聡明な女性だなと感じました。受けるべきはずの愛情を受けていないのにも関わらず、大切な人に対して愛情深い、とても器の大きい人だなという印象です。

――所作の苦労はなかったですか。

愛希 ありがたいことに、宝塚時代から江戸時代などの所作を勉強する機会が多かったので、その経験を少しは活かせたかと思います。自然な動きをすることを意識していましたが、見せ方に関しては、監督とカメラマンさんにお任せしました。美しい映像を撮るために細やかな気配りや工夫をしてくださっていたので、演技に集中することができて、とてもありがたかったです。