『とらドラ!』を見て、声優という職業に興味が湧いた

――『とらドラ!』のどこに惹かれたのでしょうか。

星野 思春期の高校生たちの恋愛や家族関係が描かれていて、自分が満足に過ごすことのできなかった青春の全てが詰まっているような感覚になったんです。その世界の中に自分も入って、一緒に青春を過ごしたいなと。それで声優という職業に興味が湧いて、やっと病状も落ち着いてきたので、お金を貯めて養成所に通おうと、まずはバイトを始めました。自分の将来なので、親からお金を援助してもらうことは考えなかったんです。

――先ほど病気のせいにした時期もあったというお話もありましたが、メンタルも強くなったんですね。

星野 そうですね。病気のおかげというわけではないですが、それがなかったら、おそらく声優という職業には就いていなかったと思います。そこは不思議な気持ちもありますね。

――今は、病状は安定しているんですか。

星野 ここ10年以上は安定していて、特に問題なく、日常生活を過ごしています。一時期は厳しい食事制限もあったんですけど、看護師の方とお話ししたときに、「無理に制限するよりも、もっと自由に生きたほうがストレスも溜まらずにいいですよ」って言われて。それで好きなことをやって、自由に暮らそうと思ったのが進路を考える上でも大きかったですね。

――2018年、事務所に所属して声優としての活動を始めますが、なかなか大きい役には恵まれませんでした。心が折れそうなときはなかったですか。

星野 まず声優になれるかどうかという段階で、「声優になれなかったら、残りの人生は余生だな」って本気で考えていました。諦めとかではなく、自分なりの覚悟でした。それでご縁があって、事務所に所属できて、お仕事をさせていただくようになって。たとえ活躍できなくても、僕には他に捨てるものがなかったので、心が折れることもなかったです。それで今回、真宝を演じさせていただいて、ご縁や運など、いろいろなものが絡み合って今があるんだなと思います。

――最後に改めて、これからの『ぶっちぎり?!』の見どころをお聞かせください。

星野 癖の強い個性的なキャラクターたちばかりなので、それぞれの考え方や行動を見てほしいですし、真宝の視点で言うと、久しぶりにあらちゃんと再開して、ぎこちない関係が続いていた二人が、どうなっていくのかにも注目してください。

Information


『ぶっちぎり?!』
毎週土曜日23時00分からテレ東系列ほかにて放送中

【スタッフ】
原作:内海紘子・岸本卓・MAPPA・東宝
監督:内海紘子
シリーズ構成・脚本:岸本卓
キャラクターデザイン・総作画監督:加々美高浩
サブキャラクターデザイン・総作画監督:齊田博之/伊藤公規/伊藤晋之
衣装コンセプトデザイン:澤田石和寛
美術監督:鈴木くるみ
色彩設計:垣田由紀子
撮影監督:加藤慎之助
編集:長坂智樹
音楽:大島ミチル
オープニング・テーマ:「Sesame」Kroi
エンディング・テーマ:『らぶじゅてーむ』甲田まひる
魅那斗會 チームソング:『ステゴロ』KDH & Novel Core
シグマスクワッド チームソング:『God Mode』BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE
NG BOYS チームソング:『E-NERGY BOYS』DA PUMP
音響監督:菊田浩巳
音響制作:dugout
アニメーションプロデューサー:小川崇博
制作:MAPPA

【キャスト】
灯荒仁:大河元気
浅観音真宝:星野佑典
千夜:こばたけまさふみ
まほろ:永瀬アンナ
摩利人:佐々木望
拳一郎:斉藤次郎
座布:野津山幸宏
駒男:山口勝平
王太:竹内良太
蛇走:古川慎
刃暮:葉山翔太
阿久太郎:鈴木千尋
© 「ぶっちぎり?!」製作委員

公式サイト
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星野佑典

5月14日生まれ。栃木県出身。2018年、映像テクノアカデミア卒業後、マウスプロモーションに所属。アニメ、ゲーム、映画やドラマの吹き替えなど、幅広く活動中。

PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI