人を喜ばせたいという気持ちは誰にも負けない自信があった

――キャリアについてお伺いします。この世界に入ったきっかけから教えてください。

石川 ちょっとだけ読者モデルみたいなことをやっていた時期があったんですが、そのときの先輩に「芸能のオーディションに出てみないか?」と誘っていただいて、面白そうだからと参加したのがきっかけです。

――どういう経緯で読者モデルを始めたんですか?

石川 当時、木村拓哉さんに憧れて髪をロン毛にしていたんですが、原宿の某アクセサリー屋さんに並んでいたら、美容師さんに声をかけられたんです。「明後日、ヘアショーがあるんですけど、急遽モデルさんが出られなくなって、代わりのヘアモデルを探しているんです。そのヘアショーに出るには、髪の長いモデルさんじゃないとダメなんです」ということで、ヘアショーに出て、その流れでサロンモデルをやり始めました。

――モデルに興味はあったのでしょうか。

石川 見る側としては興味があったんですけど、撮られる側としては全くなかったです。

――どうしてオーディションに参加しようと思ったんですか?

石川 「素人参加OK」と謳っていたので、素人の自分だからこそできることをやってやろうと思ったんです。他の参加者は歌とダンスの経験者が集まっていたんですが、気合いで参加しました。

――経験者が揃っている中に飛び込むのは勇気のいることですよね。

石川 当時、アルバイトで海外のお客さんも多い飲食店で接客をやっていたんですが、そこの店長が素晴らしい人柄で。プロ意識も高くて、「しんどいとき、つらいときこそ笑え」という考え方の方でした。その影響で、人を喜ばせたいという気持ちとプライドを持って働いていたので、職種は違えど、その信念は誰にも負けない自信がありました。

――「しんどいとき、つらいときこそ笑え」という気持ちは、芸能の世界でも大切なことですしね。

石川 そうですね。そのときに培ったものは芸能の世界に入ってからも活きていますし、今でも店長には感謝しています。

――2018年、ダンス&ボーカルグループ「スクランブルガム」のメンバーとしてメジャーデビューします。ダンス未経験で大変なことも多かったかと思います。

石川 最初は全然ついていけなかったですね。他のメンバーは、プロではないとはいえ、ダンスレッスンの経験も豊富でしたから、そういう人たちの中にポンと入れられると、想像を絶するぐらい動けなくて、心の底から難しいと思いながらやっていました。めちゃめちゃ苦労したんですけど。1日7時間のレッスンを毎日続けていると、下手なりにも少しずつ踊れるようになりました。