撮影現場が映画作りの喜びに溢れていた
――完成した作品をご覧になって、いかがでしたか。
井之脇 僕は映画好きですし、役者も20年やってきましたけど、これまでに観たことのない、飛びぬけて新しいすごい作品ができたな。その中で自分たちがキャラクターを演じて作ったものが、こういう形で届けられるんだという、映画作りの喜びを感じました。万理華ちゃん側のパートも、そのときに初めて観たので、こういうふうにやっていたんだという発見がありましたし、劇団への思いも伝わってきました。ギミックだけじゃなくて、ちゃんとエモーショナルな部分もあって。いい映画だなと思いましたね。
伊藤 脚本の段階から面白かったけど、それがしっかり映像になっていると感じました。

――これ見よがしにではなく、さりげなく、いろんなテクニックが詰まっていますよね。
井之脇 しれっと詰まっていますよね。
伊藤 カメラマンさんも本当に大変だったと思います。トリウッドの座席位置は独特で、少し斜めになっていて、「普通ここは通り抜けできないでしょう」というところもワンカットで撮っていたりするのですが、それを皆さんが楽しんでいた印象があって。作っている側がワクワクしているのって、映画を観ている方にも伝わると思うんです。それが伝染して、笑いになるし、泣けるし、みたいな。新しい世界で、新しいものを作りたいという欲求と好奇心があるので、どんなに大変でも食らいついていきたいと思いますし、元気にもなれます。
井之脇 現場に行くと、撮る分量が本当に半端なくて、毎日スケジュールに追われながら撮影をしていたんですが、みんながやりきれたのは上田さんはじめ、現場が映画作りの喜びに溢れていたからなんですよね。
伊藤 ハッピーでした。多幸感がすごかった!
井之脇 キャストさんもスタッフさんも部署の垣根を越えて、みんなで作っている感じがあるんですよね。スクリーンと話をするのも難しかったんですが、大変な思いを万理華ちゃんと共有して、それが映像としてつながったときに「あの苦労は、こうやって映画として機能するんだ」と報われたような、それこそ大変を超える多幸感がありました。
伊藤 素敵な現場だったので、終わったあとは達成感もありつつ、「終わらないでほしい」という気持ちもあって。これからも、こういったものづくりに携わっていきたいと改めて思いました。

Information
『君は映画』
2026年6月19日(金)より全国公開
出演:伊藤万理華 井之脇海
藤谷理子 金丸慎太郎
前田旺志郎 菊池日菜子 金子鈴幸 三河悠冴 今井隆文 /
尾関高文(ザ・ギース) 高佐一慈(ザ・ギース)
石田剛太 酒井善史 土佐和成 角田貴志 諏訪雅 永野宗典
監督・脚本:上田誠
製作:ヨーロッパ企画/トリウッド
東京・下北沢で劇作家をしているマドカ(伊藤万理華)と、隣町・三軒茶屋でバンドをしているカズマ(井之脇海)。二人はそれぞれ映画を観にいくと、スクリーンにお互いが映し出されて混乱。どうやら、マドカにとってはカズマが、カズマにとってはマドカが「映画」らしい。そんなあり得ない構造の中、まるで映画のように、互いの物語の中で事件が起きていく。
井之脇海
1995年11月24日生まれ。神奈川県出身。2008年、『トウキョウソナタ』で第82回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞ほか複数の賞を受賞。’18年、監督・脚本・主演を務めた『言葉のいらない愛』がカンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナー部門に入選。現在は舞台「レディエント・バーミン Radiant Vermin」に出演中(7月5日までシアタートラムにて公演、以降地方公演あり)。8月7日に映画『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』、12月25日に『SUKIYAKI 上を向いて歩こう』が公開を控える。9月には舞台「リア王 -King Lear-」に出演が決定。日本・台湾国際共同製作映画『燃え上がる島』でもW主演を務めるなど、待機作を多数控える。
PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:kika(伊藤)、新宮利彦(VRAI)(井之脇),STYLIST:和田ミリ(伊藤)、坂上真一(白山事務所)(井之脇)
衣装協力
伊藤:スカート¥33,000/kotohayokozawa(ON TOKYO SHOWROOM)、シューズ¥20,680/PEMONT(HANA SHOWROOM)、ピアス¥29,700/ete、イヤーカフ¥13,200・リング¥28,600/Jouete、その他スタイリスト私物
問い合わせ先
ON TOKYO SHOWROOM→03-6427-1640
HANA SHOWROOM→hana.showroom@hana-korea.com ete、Jouete→0120-10-6616
