新たな作品に入るたびに「今回の経験で何か変わったな」と思う

――この世界に興味を持ったきっかけを教えてください。

東 もともとテレビが大好きで、『仮面ライダー』シリーズといった特撮から、普通のドラマまで、いろいろ見ていました。ただ芸能界に入りたいとは考えていなくて、テニスのインストラクターになりたいと思っていたんです。ただ、膝を怪我してしまって、その夢は叶えられないとなった時に、友達から、「別のステージでもテニスができるんじゃないの」と言われて、気持ちを切り替えて目指したのが『テニスの王子様』のミュージカルでした。だから、芸能界に入りたいというよりは、もう一度、別の形でテニスができればいいかなくらいの気持ちでした。

――ご家族の反応はいかがでしたか。

東 父親はすごく反対していました。母親は不安だったと思いますが、応援はしてくれました。今では両親そろって背中を押してくれています。

――東さんは2013年に舞台『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』で本格的な俳優デビューを果たします。

東 お芝居を始めたばかりの頃は、周りからクスクス笑われるのですが、何を間違えているのかも分からない。どうしていいのか悩んだこともあったのですが、本番の幕が開いて公演が終わり、観ていただいたお客様からお手紙をいただいた時に、こんなにも僕を求めてくれて、待っていてくれた人がいたんだということに気づきました。僕の出演した『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』は60公演以上あったのですが、公演を重ねて、日々成長していくキャストのみんなを見て、リスペクトもありましたし、ちょっとずつお芝居も変わっていって。面白いな、楽しいな、もう一歩踏み込んでやってみたいなと思いました。ただ当時は前を向いて走るしかなかったので。落ち着いて周りを見る余裕はなかったです。

――歌やダンスは、この世界に入ってから始められたんですか。

東 そうです。難しかったですね。譜面もそんなに読めなかったですし、ダンスも養成所でやったくらいで素人同然。スポ根魂で一生懸命頑張るしかなかったです。

――俳優になったきっかけは、違う形でもいいからテニスを続けたいという気持ちからでしたが、お芝居を続けるモチベーションは何だったのでしょうか。

東 「下手くそ」と言われるのが悔しかったというのが大きかったです。誰しも「上手い」「すごい」と言われたいじゃないですか。それしかなかったですね。

――ターニングポイントになった作品はありますか。

東 新たな作品に入るたびに「今回の経験で何か変わったな」と思うことがあるので、毎回がターニングポイントだなと感じます。

――まさに『SWAN ―Ballet cross Reading―』は新たな経験になるかと思います。

東 一回きりの人生なので、失敗しようが何しようが、真っ直ぐ走っている姿はかっこいいですし、今回のような新しい挑戦となる作品の一員として自分もいられるのは光栄です。稽古の段階で未知の領域に足を踏み込んでいると感じているので、完成した舞台がどうなっているのか、ぜひ劇場まで来て楽しんでいただけるとうれしいです。

Information

『SWAN ―Ballet cross Reading―』
日時:2026年9月4日(金)~9月9日(水)
会場:新国立劇場 中劇場

<リーディングキャスト>
井桁弘恵、村川絵梨、東啓介、西野遼、福士誠治
<バレエキャスト>
秋元康臣、厚地康雄、飯島望未、今井智也、菊地研、木村優里
塩谷綾菜、柴山紗帆、関野海斗、中島瑞生、中野伶美、成田紗弥
宮内浩之、山田夏生、米沢唯、渡邊峻郁
/倉永美沙、佐久間奈緒、中村祥子 他

原作:有吉京子「SWAN-白鳥ー」(平凡社刊)
脚本・演出:小林香
バレエ監修・振付:福田圭吾
振付・ステージング:大野幸人
音楽監督・作曲・編曲:大貫祐一郎
美術:二村周作
照明:保坂美沙
音響:鈴木勇気
映像:KENNY
衣裳:新 朋子
バレエ衣装:山口典子
ヘアメイクプランナー:石田弥仙
バレエ音楽監修・録音指揮:井田勝大
演出助手:髙野玲
舞台監督:酒井 健
制作:堀内美穂

公式サイト
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東啓介

1995年7月14日生まれ、東京都出身。映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。近年の主な出演作はミュージカル「ジャージー・ボーイズ」(25)、ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」(25)、『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(25)など。 現在、舞台『キングダムII ~継承~』に出演中。大ヒット公開中の映画『ブルーロック』にも出演。9月6日放送スタートのテレビ朝日系『仮面ライダーマイス』に嶺髙華武利 / 仮面ライダーマオウ役で出演。

PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:折居あゆみ