高校から芸能学校に進学したことは、自分にとって大きな決断だった

――純乃さんのキャリアについて伺います。俳優の道を志したきっかけについて教えてください。

純乃 私は本当に、ふわっとしたところから始まってます。芸能界ってカッコ良くない? みたいな感じで、中学3年生の時に親が見つけてくれた育成スクールに通い始めました。その時も、特にしたいことが決まっていたわけではなく、芝居も“させられてる”っていう感覚だったので、最初の1ヶ月ぐらいは本当につまらなくて(笑)。人前で台詞を言うなんて恥ずかしいと思ってたんですけど、何かのきっかけで突然、これは楽しい!ってなったんです。

――スイッチが入る瞬間があったのですね。

純乃 そこから自分でもいろんな映画やドラマを観始めて、一役者として演技を観るようになりました。そういう中で、これを仕事にしたい!って気持ちが強くなったので、高校は芸能系の学校を選びました。

――人前に出るのは得意なほうでしたか?

純乃 いえ、得意じゃなかったです。人前で自己紹介とか特技を披露とかも苦手なタイプだし、習い事も続かなかった……なのに、なぜか芝居がしたくなっちゃったんですよね。自分を変えたかったのかな。

――ちなみに、学生時代は部活動などされていましたか?

純乃 バスケットボールを小学校3年生から6年生まで続けていました。本当は中学でもバスケットボールをしたかったんですけど、すごく小規模な学校で、部活動はバレーボール部と吹奏楽部しかなかったんですよ。だから、中学生の時はバレーボールをしてました。

――小規模な学校だったのですね。

純乃 そうですね。だから、そういう場所から芸能学校に進学するのは、自分にとって大きな決断でした。学校で進路希望を書いたり面接の練習をしたりするじゃないですか。その時に「あの子、芸能学校行くんだ」って、なんかザワザワ広がる感じになっちゃって……。「あみってナルシストじゃない?」みたいな話になった時もあったんですけど、私的には「うん、まぁ勝手に言ってれば」っていう強い気持ちでいたので大丈夫でした。

――実際に芸能学校へ進学して、どうでしたか?

純乃 仕事でたくさん休む子がいたりして焦ることもありましたけど、お互いに頑張ろうね!って言い合える子もいたので、すごく刺激になりました。それに、私がここまで人前で喋れるようになったのは確実にあの学校のおかげなので、ああいった環境に身を置けたのは良かったですね。芸能の相談もできるし、お互いのライブやお芝居を観て切磋琢磨もできるし。

――成長できる環境だったと。

純乃 あと、とにかく学校が明るかったんです。俳優以外にもモデルやアイドルがたくさんいたんですけど、すっごいハッピーな子が多くて。本当にもう、動物園なのかな? ってくらい授業中も良い意味で騒がしくて(笑)。先生とも仲良くて、すごく楽しかったですね。

――周囲の声を跳ね退けて進学したのは正解でしたね。

純乃 もともと私は普通校でも良かったんです。でも母親から「絶対にこの学校だよ。ここ行かないと芸能人になれないよ」って言われて。なので、母親にはすごく感謝してます。私の未来、見えてた?ってくらい(笑)、本当に感謝しかないって感じですね。

――高校では、お芝居中心の生活を送られたんですか?

純乃 そうですね。部活には特に入らず、芝居のワークショップに行ったりしてました。

――人前に出るのが得意ではなかったとおっしゃっていましたが、ワークショップはいかがでしたか?

純乃 それこそ、高校に入ってから人と話すことが楽しくなったというか、繋がりを広げていくって素敵なことなんだって思えるようになったので、何の恐怖心もなかったですね。逆に自分から周りに話しかけてました(笑)。もともとそういうタイプだったのかわからないですけど。

――ムードメーカー的な存在というか。

純乃 今回、監督に言われてすごくうれしかったのが、「出演者4人を繋ぎ止めて、中心にいてくれた気がします」って。そういう言葉をかけていただいて、みんなを積極的に和ませる役割が自分は得意なんだろうなって、改めて思いました。