もっと映画の仕事に携わって、将来は幅広い演技ができる役者になりたい
――高校卒業後に芸能の道へ進むことは、すぐに決断したのですか?
純乃 いや、迷いましたね。この仕事1本に絞るのが怖かったのもありますけど、そのタイミングで父親から「本当にそれで良いの?」って言われたんです。「大学に行ったら違うことができるかもしれないし、もっと好きなものが見つかるかもしれないよ」って。確かにそうだなって思ったんですけど、改めて真剣に考えた時に、やっぱり芸能しかないって思ったので、じゃあもうこっちの道を選ぼうって。
――芝居以外の表現をしたいと思ったことはありますか?
純乃 ワークショップでは芝居の他に歌も習っていて、歌も好きだったんです。ただ芝居は正解がわからないというか、頑張っても頑張っても成長できない感じが、私の中ですごく新鮮で。
――難しいからこそ、やりがいがあると。
純乃 バスケットボールをしていた時、私、キャプテンだったんですよ。小学1年生から始めた子に比べたらスタートが遅いのに。嫌な言い方に聞こえるかもしれないですけど、運動神経も良かったし、もともと何でもパッとできちゃうタイプではあるんです。でも、芝居だけはいくら頑張ってもできなくて。あれ……あれ……? 悔しい! っていう。でも、それが楽しいんですよね。もちろん歌もすごく難しいですけど、やっぱり芝居が好きなので。
――本格的に芸能の仕事を始めてから、何か意識は変わりましたか?
純乃 もう社会人だし、母親と父親にこんなに応援してもらっている中で、何か恩返しというか、ちゃんと感謝の気持ちを伝えたいなっていうのはあります。こうして作品に出て観てもらえるっていうのも、ちょっとは恩返しになるのかなと。
――今はご家族も芸能活動を応援してくれているんですか?
純乃 そうですね。父親に関しては高校卒業の時にあんなこと言ったのに、同じ舞台に連日来てくれたりとか。自分の親ながら可愛いなぁって(笑)
――特に印象に残っている作品を1つ挙げるとしたら、どの作品になりますか?
純乃 私的には、今回の作品がそうですね。出演が決まってびっくりしたのもありますけど、これから役者として頑張っていけるかもしれないっていう希望になりました。
――ちょうど新年度が始まった時期ですが、今後の目標などがあれば、ぜひ教えてください。
純乃 映画に携わりたいという気持ちは、今回でさらに深まりました。良い作品に出て、良い監督・良いスタッフ・良いキャストと出会って、恵まれた環境でたくさん撮影をしたいです。
――目標とする役者さんはいますか?
純乃 最近よく伊藤沙莉さんに似てるって言われるんです。見た目ではなく、喋り方というか、動き? 雰囲気が似てるみたいで。伊藤沙莉さんめちゃめちゃ好きなので、すごくうれしくて。
――今、最も活躍されている俳優さんの一人ですね。
純乃 『ステップ』という映画で保育士の役をされているんですけど、明るくて楽しい役柄の中にふと優しい感情が見えた時、その保育士のいろんなバックボーンが想像できたんですよね。それまで、どちらかというとコメディー寄りのイメージだったんですが、幅広い演技ができるすごい役者さんなんだ、ってその時改めてわかって。そこから、自分もそうなりたいって思うようになりました。
――マルチな演技ができる俳優になりたいと。
純乃 はい!そのためにも、今はオーディションを頑張っています。落ちると思ってる時こそ受かったりするんで、何が正解か正直わからなくなっているんですけど、何とか自分で正解を見出していかないとなって思ってます。
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キャスト:小野莉奈 紺野彩夏 純乃あみ 佐月絵美 森日菜美
窮屈で鬱屈とした中学・高校生活を送った主人公・森山沙都子(小野莉奈)が、念願の東京の大学に進学してついに憧れの大学デビューを果たしたはずが……。新しい世界で、自分にとっての本当に大切なものに気づき、大人への階段をのぼる成長物語。
PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI