これからは違う雰囲気の役柄にも挑戦してみたい
――この世界に入ったきっかけを教えてください。ご自身の意思でこの道を選ばれたのですか?
阿久津 僕の意思というよりも、母と姉が「芸能界に入ってみたら」と積極的で、「第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に応募することになったんです。そこで準グランプリを頂いて、ご縁があったので事務所に所属することになりました。その後、ミュージカル「テニスの王子様」(以下、「テニミュ」)3rdシーズンの主人公、越前リョーマを演じるチャンスを得ることができました。
――もともと人前に出て表現することは好きでしたか?
阿久津 バラエティ番組を観るのが好きで、小さい頃は、自分でビデオカメラを回して撮ったりしていたので、表現するのは好きだったかもしれません。
――お芝居は事務所に入ってから経験されたのですか?
阿久津 そうですね。「テニミュ」が初舞台でした。ダンス、歌、お芝居、テニスの見せ方……一つひとつを消化することに必死で。舞台に立つプレッシャーを感じる以前に「どうにかして人様に見せられるものに仕上げないと」といっぱいいっぱいだった記憶しかないです。
――レッスンと本番とでは気持ちの持ち方が違いましたか?
阿久津 全然違います。舞台に立った時に少しでも心に迷いがあると、それがすべて出てしまうんです。生の舞台を経験して初めて分かりました。「テニミュ」は観てくださる方が多かったので、いろんな意見を聞くことができて成長する糧になりました。
――どのタイミングで、このお仕事をしていくという覚悟が決まったのでしょうか?
阿久津 お仕事がいただけるようになってからです。最初の舞台が決まるまでは、オーディションに落ちまくっていて不安しかなかったのですが、「テニミュ」への出演をきっかけにお仕事が増えて、そこから自分ができることは精一杯やっていこうという覚悟が生まれました。
――今後、力を入れていきたいのはどんな分野ですか?
阿久津 いろんな作品に出たいです。今は似たタイプの役柄を演じることが多いので、違った雰囲気の役もやってみたいと思っています。チャンスを活かせるようにいろんな作品を観て、演技の幅を広げる努力をしています。
――最近、印象に残っている映像はありますか?
阿久津 ドラマ「ブラッシュアップライフ」です。自然なのにカッコ良い、誰もがすっとその世界に溶け込める役者さんたちのお芝居に圧倒されました。ディズニープラスのオリジナルシリーズでやっていた「ガンニバル」も独特の世界観が魅力的でした。異なるテンポや空気感を自然に作り出せるような役者は素敵だし、僕も早くそうなりたいです!
Information
『美男ペコパンと悪魔』
2023年6月2日(金)よりシネ・リーブル池袋、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開
出演:阿久津仁愛 下尾みう
岡崎二朗 堀田眞三/吉田メタル
企画・製作総指揮:堀江圭馬 監督・脚本:松田圭太
原作:ヴィクトル=マリー・ユーゴー「美男ペコパンと悪魔」 (翻訳:井上裕子)
クリーチャーデザイン:SAZEN LEE、米山啓介、ムラマツアユミ
配給・宣伝:アイエス・フィールド
Ⓒ2023映画「美男ペコパンと悪魔」製作委員会(ヴィクトル=マリー・ユーゴー著)
狩りの名手でもあるゾンネック城主のペコパンはファルケンブルグ城主の娘、ボールドゥールと婚約する。婚礼を3日後に控えた日、ペコパンは狩りに出るのだが、その狩りの腕前が宮中伯に認められ、どんどんと出世をしていつしか世界中を旅することに。婚礼のためボールドゥールの待つ城へ一刻も早く戻らねばならぬペコペンは、その意とは真逆にどんどんと城から遠ざかっていく。襲いかかる異形のクリーチャーたちと対峙して途方に暮れている時、悪魔アスモデからある条件を飲むことですぐに城へ戻してやろうと持ち掛けられる。愛するボールドゥールとの再会のために条件を飲むペコパン。アスモデの申し出は天使の囁きなのか? それとも悪魔の囁き?
PHOTOGRAPHER:YUTA KONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:RIKA ITO,STYLIST:MASAKI AZUMA
衣装提供
ロングシャツ(room.13)、中に来たシャツ(NEEDLES)、パンツ(NEPHOLOGIST)※その他スタイリスト私物