歌詞の意味が分かっていなくてもノリノリで楽しめる様なテイストに
――「spotlight」のアートワークやMVへのこだわりを教えてください。
高橋 アーティスト写真の衣装は特注で作っていただきました。アートワーク面もすごくこだわっています。シンガーソングライターが曲を出すと、歌詞に注目が集まることが多いですが、この曲は歌詞の意味が分かっていなくてもノリノリで楽しめる様なテイストにしたいなと。みんなで指パッチンでのれるような曲。それをプリプロ(仮録音)の段階で「こういう曲にしたい!」と共有して、曲中も指が鳴っているし、MVの中で僕もやっています。手拍子もやりやすいですし、出来るだけで口ずさみやすいというフレーズやメロディーを探しました。
――ライブやフェスの時にみんなで盛り上がれそうですね!
高橋 今ツアー中なのですが、ありがたいことに高橋優のライブは、老若男女たくさんの方が来てくれます。お子さん達が身体で楽しんだり、一緒に動ける曲が書けたかなと思っています。
――高橋さんご自身が褒められて嬉しかったことはありますか?
高橋 手をよく褒められます。綺麗だね、とか大きくて良いねとか。でも真っ直ぐに受け取れないことが多いので「手しか褒めることないんだろうな」とか思ったり(笑)。手を褒められるので僕も相手の手を見るようになりました。綺麗な手にドキドキしたり(笑)。
――ファンの方からもたくさんメッセージが届きますよね。
高橋 ファンの方からいただくメッセージは、褒められるとはちょっと違うんですよね。高橋優の楽曲やライブを褒めていただくのは、それはもう嬉しいです。生きがいですから。でも、例えば僕がバリスタだったとして、コーヒーを美味しいと褒めていただくのは嬉しいのですが、そのコーヒーを作っているあなたが好きよ、とはちょっと違うんですよね。僕自身、“逆ギャップ”があって、メガネをかけていて髪もサラッとしていて、華奢で可憐な男だと思われがちなんですけど、実はガタイも良いし部屋も散らかっています。その逆ギャップによって幻滅されるんですよね。
――皆さんの中の“高橋優”のイメージと違う部分があるんですね。
高橋 「明日はきっといい日になる」と歌っているイメージが強いかもしれないですが、「明日はたぶんいい日にならない」と思っている日もたくさんあります。あの曲も、裏を読んでいただくと「今日が散々だったけど明日は」という歌詞です。こういう話をしていると「この人のどこを褒めていいか分からない」ってなるんです(笑)。
――“褒める”って深いですね。難しい(笑)。
高橋 褒めるって難しいです!以前読んだ本に書いてあったのですが、気になっている女性がいた時に面と向かって「◯◯さんって綺麗ですよね!!」と言われても響かないけれど、ボソッと何か思い出したかの様に「◯◯さんってやっぱり綺麗だよな…」って言うと響いたり。面白いなあと思います。