内側の部分に焦点を当てていて、人の心情が細かく描かれている作品

――『幸せになりたいマサムネ君』の原作コミックと脚本を読んだとき、どんな印象を持ちましたか。

中沢元紀(以下、中沢) 僕はマサムネ君目線で読んでいたんですけど、つくづくクズだなぁと(笑)。ただ、いわゆる復讐物語ではなく、なぜ間違った選択をしてしまうのか、その内側の部分に焦点を当てていて、人の心情が細かく描かれている作品だなと感じました。マサムネ君に共感できるところは少ないのですが、理解しようと思いながら読み込んでいきました。

秋田汐梨(以下、秋田) すっごくリアルだなと思いました。きっと、どこかでこういうことが起きているんじゃないかなと思いましたし、マサムネ君みたいな人は、こういう気持ちでクズな行動をしているんだろうなと、その一端を知ることができました。このドラマは、マサムネ君にイライラしたり、沼ったりして、自分の恋愛観が分かる作品だなと思いました。

齊藤なぎさ(以下、齊藤) 人間のずるさが描かれている作品ですが、私は自分が演じたマサムネ君の浮気相手〇〇子ちゃん目線で読んでいたので本当に苦しくて……。汐梨ちゃんが言っていた通り、マサムネ君みたいな人は現実にもいるんだろうし、〇〇子ちゃんには幸せになってほしいなと感情移入しました。

――役作りでは、どんなことを意識しましたか。

中沢 たくさん監督と話し合いながら撮影していますが、マサムネ君は天性の人たらしだと思うので、その部分をどう出していけばいいのかを常に考えながらやっていました。モモカ(秋田)と〇〇子では、マサムネ君の態度は全く違うので、そこも細かく意識しながらやっていました。モモカとは10年近く交際していますが、マサムネ君が全く飾っていないかというとそうじゃないと思うので、お互いに壁を作り合っている中でどう接しているのか、そこの微妙な違いや優しさの見せ方、名前の呼び方まで、監督と一緒にキャラクターを作っていきました。

秋田 最初に監督から、「モモカは姫です」と言われて、どういうことだろうと考えたんです。ただモモカについて監督と話していると、どうやら私自身も姫らしくて(笑)。モモカはマサムネ君にフラれるとは夢にも思っていなくて、そういう部分の不安は全くない。とにかくプロポーズをしてくれないことだけに不満を抱いている子。自分が自分でいるだけで、マサムネ君は幸せだろうと信じているので、その辺が姫なのかなと思いながら演じています。

齊藤 監督さんと初めてお会いしたときに、「〇〇子ちゃんは基本的に明るいギャルです」と言われたのですが、私自身しゃべり方やトーンが似ている部分があるので、すごく演じやすかったです。性格的な面でも、人に尽くしたり、人に合わせちゃったりすることが多いんですけど、そこも自分に似ているので、あまり意識せずに臨めました。私が〇〇子ちゃん役を演じるという発表があったとき、原作を読んでいた友達からも「〇〇子ちゃん合っているね」と言ってもらえました。