座敷童子は絶対に似合うという自信がある
――『どろんぱ』が初めてのミュージカル出演ですが、オファーがあった時はどんなお気持ちでしたか?
生駒里奈(以下、生駒) 最初はネガティブな意味で「いやいやいやいや」と思いました(笑)。やってみたいという気持ちはあったんですが、人生の中で、いろんなトラウマを克服してきた中で、最後のトラウマが歌だったんです。しかも、こういう大規模な作品で、キャストの方々も豪華で、「いや無理でしょう」と一度お断りしたんです。でも、「ぜひやってみませんか」とおっしゃっていただいて、「本当にいいんですか?」と念押しして(笑)。自分では超えたい壁ではあるので、胸いっぱいでドキドキではありましたが、お受けしました。

――稽古中も不安はありますか?
生駒 全然あります。稽古中に一回心が折れて「無理だ……」と思ったこともあるんですけど、皆さんが分かってくださっていて、本当に優しくしてくれるので、「なんでこんなに優しくしてくれるんだろう」と逆に怖いくらいで(笑)。自分の課題はトラウマという精神的なものなので、きっと今回で超えられるんじゃないかなと思うし、こんなチャンスをいただいているんだから、頑張らないといけないし、頑張りたいし、頑張れる環境にいさせていただいていると感じています。
――今回演じられる座敷童子という役柄はいかがですか。
生駒 実は以前も座敷童子を演じたことがあって、「生駒ちゃんって座敷童子っぽいよね」とよく言われるんです。明るい性格が一家に一台、家に帰ったら犬みたいにいてほしいみたいな、癒される存在なのかなと。私にとっては褒め言葉ですし、昔から妖怪も好きで、自分が一番なれそうだなと思う妖怪が座敷童子だったんです。だから、座敷童子という役に関しては「見る目がありますね」と思ったくらい(笑)。絶対に似合うという自信があるので、どう自分で楽しく作っていこうかというところです。
――衣裳を着た感想は?
生駒 おかっぱ頭は初めてだったんですけど、私の好きな漫画『鬼灯の冷徹』の座敷童子に近いビジュアルで理想的でした。ただ、立ち回りも多いので、お着物でどう動こうかという難しさはありますが、自分が苦手なところは座敷童子というキャラクターに引っ張ってもらえるんじゃないかなという自信があるので、稽古をしながらもっと深めていきたいと思っています。
――座敷童子のキャラクター像と魅力についてお聞かせください。
生駒 座敷童子の歴史や諸説もいろいろ調べていて、遠野の妖怪なので強いんですよ。四国や京都の妖怪と並んで、東北・岩手の妖怪も強いとされていて、その中でも座敷童子は「福の神」として神様に近しい存在なんです。能力的には強くないんですけど、家主の行いによって福をもたらすか不幸をもたらすかが変わってくる。それが座敷童子をやる上で大事なことだなと感じていて。主人公の皆さんにどんな福をもたらせるか、そういうところを生かしていけたら、いい感じになるんじゃないかと思っています。

――なぜそこまで妖怪に惹かれるのでしょうか。
生駒 ちっちゃい頃からヒーローごっこに憧れていて、妄想の中で戦っているような子どもだったんです。なぜか水木しげる先生の『妖怪大百科』が家にあって、弟と一緒にずっと読んでいたんですが、映画『妖怪大戦争』(05)も流行っていましたし、伊藤潤二先生や丸尾末広先生など、ダークな漫画も大好きで。日常にありそうでない存在にずっと惹かれていました。水木先生の『妖怪大百科』には海外の妖怪のことまで詳しく描かれていて、鬼太郎が苦戦しながらも人間のために戦ってくれるというのも大好きでした。あと『週刊少年ジャンプ』で連載していた『ぬらりひょんの孫』も大好きで、そこから安倍晴明の歴史も調べるようになりましたし、「京都には大妖怪が今も埋められているんだ」とか、そういうワクワクする存在として妖怪が好きになっていきました。
