22歳は飛躍の1年に。殻を破って挑戦し続けたい

――これまでのキャリアについてもお伺いします。高校時代は寮生活でバレーボールに打ち込み、卒業後はゼネコン会社に就職もされたそうですが、芸能界を目指したきっかけを教えてください。

夏生 就職先に内定をもらったあと、卒業までの間。ちょっと時間に余裕ができたのと、友達に「絶対やったほうがいい」と勧められてTikTokを始めたんです。それがバズったんです。1週間くらいで6万いいねくらい。フォロワーも2万人くらいかな。それで、自己肯定感に火が付いたというか。こんな自分でも何かできるんじゃないかなと思ったのがきっかけです。

――その後、2021年11月開催の「第34回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で明色美顔ボーイ賞を受賞して芸能界に。本作への出演も夏生さんにとっては新たな一歩かと思いますが、夏生さんが新しいことに挑戦する時、大事にしていることはどんなことですか?

夏生 いろいろ考えないこと。前もってこれはこうなるから、みたいなことを考えていると行動できない。体が重くなるので、そこは勢いと雰囲気でとりあえずやってみるようにしています。

――それは、高校時代の経験からでしょうか?

夏生 そうですね。僕は16歳から寮生活で一人暮らしを始めたんですが、いろいろ考えて準備しても、いざ始まってみたら買ったのに使わなかったり、絶対必要ないと思っていたものが必需品になったりして。準備も大事ですけど、まずはとりあえずやってみて足りないものは補えばいい、と思うようになりました。

――ほかにも当時の経験が糧になっているなと思うことはありますか?

夏生 嫌なことから逃げない。ダメ出しをされても投げ出さなくなりました。逃げ癖があるので、そこを踏ん張れるようになれたのは当時の経験があったからこそだと思っています。でも、意外と足を引っ張られていることもあって、そこは今の課題ですね。バレーボールって感情に起伏をつけないことが大事なんですよ。一定のリズムを保つこと。アタックで強く点を入れても、フェイントで柔らかく決めても同じ1点。あまり一喜一憂しないことを心がけていたので、役者としてはそこが今弱点だなと。でも、サイコパスや何を考えているか分からないキャラクターは逆にそこを活かせたりできるのかなとも思うので、今後はそういった役にも挑戦したいです。

――「六本木クラス」や「silent」といった地上波の人気ドラマにも出演が続いています。お芝居の楽しさをどんなところに感じていらっしゃいますか?

夏生 難しいからこそ楽しいです。バレーボールもそうなんですけど、試行錯誤できるところに、一番楽しさを感じます。多分、日常で繰り返している動作とか簡単にできることって面白くないと思うんです。たとえば、遊園地とかたまに行くから面白いじゃないですか。僕にとっては、その感覚に似てるんですよね。難しくてなかなかうまくいかないから、できた時はうれしい。僕が今いろいろ考えてしまうように、学校や部活のことで壁にぶつかっている10代の方もいると思うんですが、試行錯誤しながら続けていけば報われる瞬間が絶対にあるはず。だから、それまで諦めないで頑張ってみてほしいなと伝えたいです。

――夏生さんも今は、俳優として報われる瞬間を目指している感じでしょうか。

夏生 そうですね。続けているとハマる瞬間があるんです。バレーボールも「やめたい」と思う時が何度もあったけど、続けているうちにある日突然何の前触れもなくハマった瞬間があって。それからは、その瞬間をもう1回再現できるようにと毎日自主練に励むようになったんです。俳優としても、きっとそういった瞬間があると思うので、それを味わえるように頑張っています。

――4月5日には22歳の誕生日を迎える夏生さん。最後に改めて、今後の抱負とあわせて読者のティーンにメッセージをお願いします。

夏生 とにかく飛躍すること。これに尽きますね。今、できないことだらけでネガティブな気持ちになることもあるんですが、それだと何も達成できない。殻を破って飛び上がるぞ!という気持ちで、いろんなことに挑戦したいです。今回の「オオカミちゃん」でも、全てを変えるくらいの気持ちで、自分の殻を破りたいと思っています。恋愛経験が少なくて、本当はあまりガツガツ行けない奥手の僕が積極的にアタックしている様子を楽しんでもらって、僕自身にも興味を持ってもらえたらうれしいです。

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夏生大湖

2001年4月5日生まれ。大分県出身。2021年に「第34回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で明色美顔ボーイ賞を受賞して芸能界デビュー。2022年にはドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系)で俳優としての活動もスタート。その後、ドラマ「silent」(22/フジテレビ系)、「忍者に結婚は難しい」(23/フジテレビ系)に出演するなど活躍の幅を広げている。特技は日本舞踊、和太鼓、倒立歩行。

PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:MITSUE YOSHIDA